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対立するものの親和

  • 対立するものの親和
  • 白御影石・塗料
  • (W)155×(D)150×(H)350
  • 1997年


制作意図 (野外に大きな彫刻として制作することを希望して)
 支え合う人間関係を石を高く支える形により形象化し、併せて自然の持っているエネルギーを単純明快に提示する。
 中心部の赤い球場の部分と、周囲の柱状の部分はお互いがお互いを支える構造になっている。有機的な形と無機的な形という対立だけでなく、有機的な形同士にも無機的な形同士にも対立の構造を作っている。このような対立するものによる協力関係は至るところで展開されている。
 建物の前に置かれた時、作品の磨かれた直方体の部分が周りの建築物と響き合い建物の中に溶け込んでゆくような錯覚を覚えたり、磨かれた柱が太陽の光を反射し明るい空に溶け込んでゆくとき、自然の肌合いを残す石の塊が空へ向かうようでもある。逆に最上部の磨かれた3つのキューブはあたかも柱から離れ空へ浮かぶようでもある。そんな重力の束縛から一瞬解放されたような浮遊感も味わってもらいたい。また、柱状の部分は最上部の3つのキューブや切り込みによって全体的にらせん状に構成してある。作品の周りを巡ることで上昇するような動きを感じてもらえれば幸いです。