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僕も愚かな若者だった

イラクで24歳の若者が殺された。
そのニュースを知った時、そばにいた知人らとその話題になったら僕以外の全員が
自業自得、行くなと言ってるところに行く方が悪い、平和ボケ、ざまあみろ
という感想だった。呆然。
家族には「好きで行ってる奴の救出に税金を使うな」等の電話が殺到したらしい。唖然。


若者の行動は無謀だったと思う。僕だって。
だけど「若者」というのは理路整然となんか説明できない「何か」に突き動かされて動いてしまう事がある、もともとそんな生き物だと昔の自分を振り返って思う。
誰も見向きもしないような事に執着し続けたり、
なんでそんな事をしているか当人にだってわからないのに突き動かされてやってしまうことは山ほどある。
少なくとも愚かな若者であったかつての僕はそうだった。
その「無駄」で「愚かな」行動のほとんどは今でも他人に説明する事は難しい。
でも、世の中で社会的に活躍している人の力が、そんな愚かさから始まっている事も多い。
たまたま異常に執着したことで他人を遥かに越えるスキルを得て社会的に活躍できる人間だっているけど、それは極端に言ってしまえばたまたま自分の方向を活かせる道が世の中にあった、もしくは行かせるように努力をした、ということ。
その「愚かな」行動をしている時点で将来、社会にどう役立てようかなんて考えてはいないだろう。
それに若い時代の「愚かさ」や「無駄」を経験せずロスなく成長した大人が素晴らしいのだろうか。
若者を非難している人間は若い時代に「愚か」で「無駄」で「意味の無い」こととは無縁だった人たちなんだろうか。
彼の「愚かさ」を説明するのは簡単。だけどしたり顔でそれをする「大人」はかつて自分にもそんな激情があったことを忘れてしまったか、若い時代にすら自分の精神をそんな風に自由に使う事の無かった大人なのだろうか。
それにしても。小泉さんグループの戦略は着々と成果を上げているんだなぁ。
殺人の意図を持ってイラクに出かける人間よりも、この若者を非難するムードはこの国に充満している。
殺された人々がたくさんいるのに、その人たちが死んでしまう事になった、その理由はどーも無かったみたい、ですませても「しょうがないよ」と許してくれるムードも準備万端。
少なくとも犠牲者の家族に厳しい電話をかける事が自分のやる事の優先順位の上位にランクされている人とは友達にはなれない。

たまき:

View Comments (5)

  • >若い時代の「愚かさ」や「無駄」を経験せずロスなく成長した大人が素晴らしいのだろうか。
    まったくそのとおりだと思います。わたしもそう考えていました。

  • そうやって各個人に人間味が生まれるんでしょうかね。僕も無駄ばかりだなぁ。

  • 僕もこのニュースに触れ、世間の非難に疑問を感じつつも彼の行動も愚かだよなあ、と自分の中で矛盾を抱えていました。たまきさんの考えを読んで何とか解決できそうです。
    無駄は人生のあそび。余裕がないと擦り切れちゃいます。そんな言葉が好き(以上、自己弁明)

  • 人間を人間らしくしているもののひとつが「無駄」ですからね。
    。。。書けば書くほど自己弁明のようだ・笑

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