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林業少年

 お友達の4冊目となる本が出版された。「林業少年」

 お友達の家には代々伝わる広い山があって管理もしている。林業だけじゃなく、牛も飼っていて本当に忙しそう。牛についてはもう2冊も書かれているけど、今度は林業についての物語。僕らには、なかなかうかがい知れない世界だけど、お友達は生活と共にある世界だろうし、おじいちゃんやまわりの方からも取材されたのだろう、細かな描写がていねいで説得力がある。物語の冒頭に大木を倒すシーンが出てきて、こんなに最初の方でクライマックスがいきなりやってきて大丈夫か?と一読者というより、ちょっと友達的な感想(笑)を持ってしまったけど、今、林業をめぐる世界の話や、世代や家族の関係、子どもたちの成長などが絡まり合って最後までぐんぐん物語が進んで楽しめました。

 この本にもそんな家が登場してきたけど、お友達も自分の山の木だけで以前、新宅を建てられた。引越しの手伝いに行って大きな棚を運びこむ時に、新築の無垢の木を使った美しいフローリングに重い棚をすってしまい、いきなり気まずくなったことを思い出した。あの時はごめんなさい(苦笑)
 手伝ってと頼まれて、重機や車の入れない林の斜面に倒した木を、林の開けたところまで「とび口」という道具を使って、汗をかきながら降ろしたことがある。今から思うと、手伝いになんて、なっていなかったのではないかと思える。わざわざ「体験」させてくれたのではないだろうか。でもそのお陰で個人的には、物語の中の「とび口」を使う山のシーンも目に浮かぶように読んだ。

 今回もサインしていただきました。これでサイン本は4冊に!

stone::tamaki で取り上げた他の著作のページ
ぼくらは闘牛小学生!
チョコレートと青い空
牛太郎、ぼくもやったるぜ!

なんと、3月15日にはノンフィクション「命のバトン」も出版されるそうです。すごいな。

以下は、この本の感想と言うよりも、僕が、我が家を制作した時のお友達やその山の木の物語になってしまうので、本の事を知るために、このエントリーを読んでいる方は続きを読むより、以下のリンクをおすすめ。

作者のブログ

挿絵を書かれた方が「林業少年」とそれに関した思い出などを書かれているページ。
 面白いです!(スカイエマブログ)

新日本出版の本の紹介ページ

amazonの「林業少年」ページ


 
《以下は我家制作記からの関連&思い出エントリー》
我が家にはこのお友達の山の木もたくさん使われています。このお友達家族からのプレゼントだったのです。この方の旦那さんはベコを飼い「山」と「林業」を守っている。旬のタケノコを掘らせてもらったり、無理を言って分けてもらった栗の木を作品の台座にしたり、「木」にまつわる体験もいろいろさせていただいた。

感謝を込めて思い出話を。(画像をクリックすると「我家制作記」の該当ページに飛びます)

 お友達が新築の家の材料に、自分の山で倒れた木をプレゼントしてくれる。葉枯らしといって、葉っぱをつけたまま乾燥させたサワラの木。お風呂などには檜よりも珍重される事も少なくない木材。適度に乾燥して、いよいよ切り出す。チェンソーで枝を払う。

 道無き道をトラクターでふもとまで引いて行く。かっこいー。

 数日後、その木をトラックに積んで一緒に製材所に行き、板にひいた。製材所の紹介も、段取りもして、作業にずっと付き合ってくれた。製材所で木をひくのは生まれて初めてだった。やっていることはシンプルだけど大きな機械。人間がコントロールする部分の大きい機械。作業を見ているのも楽しかった。

 ひいた板を仕事場で数年乾燥。

 地元のお爺さんに、新築予定の土地のまわりの大木を何本か倒していただいた。仕事を始めた途端、20歳は若く見えるその仕事ぶりがかっこよかった。混みいって隣家や電線もあり倒す方向は限定されたが、見事に次々倒して、さっそうと引き上げていった。
(Flickr:Old man cut down the big trees)

 大木を倒した後、焚付に使うため小枝をまとめる。地元では「柴まるき」という。お爺さんは山へ柴刈りにの柴ですね。地主のお爺さんに習ってやった。体で覚えたから今でも柴まるき出来ます、たぶん。もうやる機会は無いだろうけど。

 その頃、お友達は自分の山の木をまとめて切り倒していた。新築祝いに、その中から桜の木までくれるという。形になるまでは製材所で製材したりカンナをかけたり、いろいろ大変な過程をへた太い角材になった桜の木。

 玄関にいただいた桜の木を、上がり框として施工。我が家の完成後に、くるみの実をガーゼにくるんで上がり框の桜の木をこすった。くるみの油でしっとりと仕上がった。ただし、桜は暴れる(変形しやすい)木。しかも乾燥が不十分だったので「暴れるぞぉ」と言われたとおりに少し湾曲してしまった(苦笑)

 板にして乾燥させていたサワラの木の板は居間の壁にふんだんに施工。

 サワラの木は本来の色と質感を活かして、ごくごく薄く着色。

 最近のお風呂は一部屋まるごと作られていて、それを家に設置すれば施工完了。面倒で大変な水漏れを防ぐ工事をしなくてすむからだ。でも、どうしても木のお風呂に入りたかったので、我が家のお風呂は下半分のユニットバス。壁と天井は全面、おともだちのサワラの木。今でもお風呂に入ると幸せ。

たまき:

View Comments (2)

  • 紹介ありがとうございます。なんか、なつかしいですね~。フローリングの傷は、もうすっかり我が家になじんでいますよ。(笑)環さんとの素敵な思い出ですので、お気になさらずに~!環さん達が家を建てた時のことも、本当にしみじみ思い出しました。良い体験や思い出は、明日への力になります。ありがとうございました~!

    • 一緒にホタルや流星を見たり、お花見や川辺で芋煮会をしたり。今とは違う時間が流れていたように思い出されます。そして、いつも子どもたちの笑い声がありましたね。
      フローリングの傷は良かった(やさしい!)ほりごめさんちの玄関を開ける度に、今でも思い出しています(笑)

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