伊達冠石を買いに

 2tユニックを昨日から借りておいた。今日朝一番で石を買いにいくためだ。


 仕事場で石を吊り上げるワイヤーや長靴など石買いに必要なものを持って出発。僕の仕事場から10数分のところにイサム・ノグチも愛したことで有名な世界でも希有な石、伊達冠石(地元では泥かぶりと呼ぶ)の丁場(採石場)がある。なんて幸せな。ただ山の中の一本道はすれ違えない細い道の部分が多いので「どうか対向車が来ませんように」と祈りながら走る。


 伊達冠石の丁場に到着。(伊達冠石のサイト山田石材計画の社長さんに依頼していただいて僕が作らせていただきました)丁場からは蔵王も見える。低い天井のように濃く白い雲がすぐ頭の上を全面に覆っている。一歩足を踏み入れただけで心がすさむような景色の丁場もあるけどここはいつ来ても幸せな気持ちになる景色だ。大事に手を入れているのが伝わってくる。


 今日は背板、とか合羽(がっぱ)とか呼ばれる、玉石を切った残りや切ったけど傷があって製品には出来なかった材を買いに来た。そういった材も大事にまとめたエリアがあるのでそこから制作にあった石を選ぶ。


 指でつまむように石をはさめる重機。本物を見るとでかいよ。置き場からここまでやってくる道の途中に手で持てるくらいの玉石が転がっていたけど降りてどけるのではなく箸で豆をつまむように器用にはさんでどけてからガタガタやってきて思わず笑ってしまう。今日僕が買う石はそのままつまむと縁が欠けてしまう可能性があるので大事を取ってワイヤーでつってユニックに積んでいただく。
 

 庭におけるようなちょっと小さめの作品を作って欲しいと依頼されての石買い。こんな感じのものを作って欲しいとの依頼。そして石にこだわりのある人で必ず伊達冠石でとの指定。今日は4枚の背板を購入。別の目的で制作するための小さな玉石もいい形をみつくろって4つ。小さく見えるでしょうがこんな玉石だって女性が持つのは難しい。
 支払いのため事務所に行くとちょうど日石展などで大忙しの山田社長さんもいてコーヒーをいただきながら面白いお話をいろいろ聞かせていただいていたのだけど先ほどからの霰(あられ)がどんどん強くなってきて石降ろしのことが心配になって山を後にする。


 と、下界(笑)はぜんぜん霰なんて降ってなくて、順調に仕事場に石を降ろす。それにしてもリモコン付のユニックに慣れてしまったのでリモコン無しだと微調整が効かなくてちょっと大変。


 せっかくユニック車を1日借りたので家を建てる時に倒してそのままになっている欅を積む。


 愛犬小春を木で彫って、とカミさんに頼まれている。大学以来しばらくやってなかったけどまた木彫を始めようと思っている。