アジアカップ

 今日、アジアカップの決勝だ。
客人が来るので夕方から隣町の祭りに行く予定なんだけど開始までには帰ってきてリアルタイムで見たいなぁ。ここまでの2試合もそうだったけど編集されたニュースで見るのと、結果がどうなるかわからない状況で見守り続けるのでは意味が違うから。
 ところで、中国での反日感情に対して同じような感情をむき出しにしてる人が僕の周りにも結構いるんだけどそれはどうかなぁ。。。


 フェアなスポーツの世界であのブーイングはひどい、って確かにひどいかも知れないけど具志堅やそれ以降の日本でのボクシングの国際試合だって、ずっともっとひどかった。フェアなんて言葉、恥ずかしくて使えない。特にアジアの選手との試合は経済格差で大抵の場合、金にものをいわせての日本での試合。あきらかに不公正なジャッジ。日本人がどんな手を使っても勝ちさえすれば会場は大拍手。汚い手をつくして、それでも日本人が負けてしまったら日本人以外の勝者への会場からの拍手は全く無し、もしくは”ブーイング”。先月のK-1での魔裟斗の試合を見た人ならばその汚さ、アンフェアな伝統が今でも全く変わってないことに気が付かない人はいないだろう。どう見ても既に負けてる試合、それを引き分けの判定にして延長までして。負けてることは魔裟斗自身は分かっていただろう。だらだらと負けを引き延ばされていた時に一番辛そうだったのは魔裟斗だった。それでもスポーツはフェアだなんて言える人はドーピングのことなんかを目に入れないようにしてマスコミに踊らされてオリンピックで「感動」しまくるんだろうな。
 スポーツは元々フェアなんじゃなくてフェアを目指すから美しいと僕は思う。
シンプルにやったらなんでもありの喧嘩だ。それを、戦う精神だけはそのままに、やり方は何でもありじゃなくてルールの中でやっていこうとする姿勢に美しさが生まれる。
日本のサッカーはあれだけのブーイング、PKのゴールを途中で変えてしまうような主審、あまりにひどいレッドカード、そんな悪状況の中でも勝ったから美しい。ただ淡々とルールをやぶらずにボールを追い続けたから。
 中国のブーイングに頭に来て中国のことを単純に馬鹿だとか民度が低いとか言うより、今日の試合でイレブンが大ブーイングの中、それでも勝っておごること無く颯爽と会場を後にすることの方がどれだけこれからの中国との関係に貢献するかわからない。
 ブーイングにブーイングで応えるならもう同じ穴のムジナ。そこからは怒りと憎しみしか生まれない。そんなことしたって中国の怒りは倍増するだけ。そーゆーやり方はブッシュのやり方でもう辟易してるのだ。
 それにサッカーはあの小さなボールに感情がこもってしまうスポーツだと僕は思ってる。国の威信だって簡単にあのボールには乗ってしまう。もともとそういう要素があるよ。ネットで陣地が仕切られてるバレーや攻撃と守備が分かれてる野球と違ってサッカーやバスケットボールは言ってみればボールを使った格闘技だ。感情だってこもる。
 ともかく今日の試合だ。会場の中国人が大ブーイングしまくって世界中に4年後のオリンピックのこれ以上無いマイナスの宣伝を自分たちでやってしまおうとかまわない。暴動で試合の中断さえしなければ。ピッチに立った選手たちは、それがどこの国の人間だろうとどんな時代だろうと試合が始まったらボールを追い、ゴールを目指す、そのシンプルなことだけをやり遂げるだろうから。そして、それが僕がサッカーを好きな理由かもしれない。