花よりもなほ

 是枝 裕和監督花よりもなほ」を観た。素敵。あの、「誰も知らない」の後、時代劇?と思ったけどテーマは一貫としていた。声高に叫ばないだけにじわじわと効いてくる。
 静かな映画だった。衣擦れの音が気持ちよく聞こえてくるほど。そして出てくる子供たちの魅力的なこと。監督がキャスティングしたのだろうか。作品で輝く人間を見付けてくる天才だからなぁ。お笑いの人もたくさん出ているのだけどそのはまりようといったらない。楽しかった。


 憎しみをどう超えていくかは僕にとっても身近なテーマだ。9.11後のアメリカがとった行動やそれを批判するマイケル・ムーア監督のやり方。是枝監督のやり方は全く違う。そして監督の示したヒントはまさに親殺し、子殺しが横行する今(の日本)に必要な物だと思った。