下流志向

 水曜日に小雨の中でノミで石を彫っていた。頭がガンガンしていたのだけど仕事場が杉に囲まれているので「杉花粉なんかに負けるものか」と鼻水を流しながらがんばっていたら急に寒くなった気温のせいで風邪をひいていただけだった。数年ぶりの発熱。でおとなしく本を読んでいた。(それにしても風邪でもひかないと本を読む時間がとれないのもどうかと思うが)
 下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち
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日本の多くの学校で「教師の言うことを聞かない」、「私語する、立ち歩く」生徒で授業が崩壊している。現実を知ると多くの人は、なんできちんとできないのだろうと思うのではないだろうか。しかし内田樹さんは

子どもたちは「無秩序であること」をほとんど強制的に強いられているのです。

と説明する。ちゃんとできないのではなく、そのようなふるまいをあえてさせられているのだと。驚くような説明だけどこの本を読むうちに納得した。
 人間のありようそのものが、等価交換という消費社会の価値観でおかされつつある日本の現状を見る視点をもらった。自分の中にも、自分が起こした行動に対して等価のリアクションや支払いを望む気持ちが強くあることに気付かされた。10年前とは自分の中でも違ってきている。
 さあ、今日も内田さんのブログを読もう。