バリウム

 朝から水も飲まず市の胃ガン検診に出かけ、バリウムを飲んだ。実は生まれて初めて。2時間待ってやっとレントゲン車の定員6人の待合い席にたどりつく。係の方がリラックスさせようと「今年のバリウムは例年になく良くできていますので味わってお飲みください」と(きっとボジョレー・ヌーボー解禁にかけて)話したが待合いのお年を召した方々は何のことかわからないようでくすりともせず微妙な緊張感がレントゲン車を包んだ。気まずいので「実は初めてバリウムを飲むんですけどバリウムって何ですか?」と係の方に聞く。「正式な名前は”硫酸バリウム”。昔は中国の山の岩石を砕いて使った。分類で言うと金属なのでX線を通さず(胃が)映るんです。石膏のように腸の中で固まってしまうのだけが難点です。」と説明を受けた。
 さて僕の番。バリウムの前にスティックシュガーの様な包装の口を切り粒状の飲み薬の様なものを飲んですぐバリウムを飲む。飲み薬上のものがシュワシュワと炭酸を出しかつて駄菓子屋で味わったような味が口中に広がっている間にバリウムを飲むのでなんてこと無く「おいしく」飲みました。
 それにしてもぐるんぐるんと動く台の上でぐるんぐるんと動くように指示され、台を思いっきり傾けられて頭が下がった状態で「はい、そこで大きく息を吸って止まる!」なんてことを歩くのもやっとのおじいさんやおばあさんもやっているのかと思うと健康への執念てすごい、と思った。
 最後にバリウムが腸の中で固まる最悪の事態を防ぐために下剤を2錠コップ2杯以上の水で飲み、家に帰ってからも普段より多く水を飲むように指示される。よっぽどのことが無い限り一切の薬を飲まない僕にとっては下剤を初めて飲むのもちょっと恐かった。
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 これを書いている今はもう大丈夫。