原発勉強会

11041701.gif 福島の原子力発電所の事故。今回爆発事故を起こした原発は福島にあるので福島だけの問題のように扱われているしニュースとして扱われる場合も福島のことまで。新聞に放射線量の各地点の測定値の図が載るときも地図はきれいに福島県で切られてすぐそばの僕の住んでいるエリアの情報は見られない。(放射線測定値が高く全村避難になった飯舘村はよくキャンプに行っていた。山越えの道で60分で着く距離)
 大震災の時陸の孤島になったけど今、原発関係の情報の孤島になっている。メディアからも情報が無く、市や県からも必要な情報が提供されない。だけど地理的に見て単純に福島県境で行政区分のように問題が止まる訳ではない。僕の住んでいる角田市は丸森町などと共に宮城県の中でも南端に近い位置にある。影響はあるはずなのに判断するためのデータがない。福島県は細かくデータを取り公表もし始めているが僕らの地域は有志が各方面に電話で問い合わせ続けるまで県や市からは全くデータが出てこなかった。
 そのせいか周囲の人は以前と同じように生活しているように見える。気をつけないと外出時にはマスクをしたり外から家に入るときに帽子や上着を払ってから入る、また車の空調を外気導入をやめ車内循環にしている僕らが「異常者」になってしまうかもしれない。でも国や県、またその指示を待っているだけで積極的に動く事を拒否しているように見える市の動きに危機感を感じている人たちがそれぞれの思いを抱えて今日、集まった。
 市外からの方も含めいろんな職種の方が14人。単純に原発反対で集まったのではない。今日、集まったばかりでまだ名前もないけれど勉強会を開くなど活動を続けていく事にした。そして緊急的にまず子どもたちへの放射線の影響を少なくするよう要望しようという事になった。少なくともこれからの1年間の小学校の活動に対して。
 子ども達は大人より地面に近いところで生きている。放射性物質はもちろん地表に多い。体育はどうする?のどが渇いたときに飲む水道水はどうする?インフルエンザが大流行したときはマスクの着用が推奨され飲み水は各自家から水筒に入れていったのに、なんでインフルエンザとは比べものにならない影響のある放射線の中、何の対策もとられないまま新学期が始まるの?マスクして飲み水持って行ってもいいじゃない。なぜ推奨しない?
(年間被曝量の基準値が長い時間をかけて1ミリシーベルトに決められたのに事故後あっさりと20ミリシーベルトになったので個人的には1ミリを基準としているけど、角田市の放射線値の積算量を個人的に計算すると通常に浴びる放射線量だけで年間の予想値は2ミリを超える。呼吸と食料摂取によるによる体内被曝の数値を計算から外してすでに)
 チェルノブイリの原発事故でも小児の甲状腺にヨウ素-131が蓄積して癌化する例が見られるなど子ども達に影響があった事が報告されている。大人の責任として今、子ども達に出来ることをやる。かつて世界で誰も経験をした事がない事態を向かえている真っ最中で「確実な安全策」など誰もわからない(僕が知らないだけなら教えてください)。
 だから少々やり過ぎでも子ども達のためには対策をしておいて、後々何も問題が起こらなかったなら「ごめんね、窮屈な思いをさせたね」とあやまりたい(チェルノブイリでは被曝当時、子供だった人々に20〜25年後に影響が出はじめた)。
 大丈夫、大丈夫と言って子ども達に何もせず、結果、将来彼らにもし重大な被害が出たときどうやってあやまればいい?僕たちもわからなかったんだよと言い訳でもしろと?
 近く大学から先生なども招いて原発や放射能についての勉強会を開く予定です。(連休明けを予定)もし勉強会に参加したいと言う方はご連絡ください。
 角田市の方でなくても結構です。また僕らの会に強制的に入らせ要望書を提出する際に名前を連ねろ、なんて事ももちろん言いません。周りの人が何もなかったかのようにしていて自分のこの不安を共有できない。心配だけど相談する相手もいないから話を聞きたいだけという方もどうぞ。それでも心配なら匿名で参加されたってかまいません。いろいろな兼ね合いだって有るでしょうから。それをわざわざ壊す事はありません。(参加を希望する方はコメントかメールでお知らせください)
 僕も最初、無かった事にして暮らす道を取ろうと思いました。でもそれは無理だった。人のせいに出来ない事もわかっています。ここまで原発が作られるのを許し、結果認めざるをえない事になったのは自分の責任です。だから理不尽な出来事とは言えない。だけどこれだけひどい仕打ちを受けて黙ったままでいることはやめました。
 僕の原発への現時点での立場を明らかにしておいた方が良いかもしれません。それは新しくは作らない。古くなったものは廃炉にしていく。最終的に段階的に全て廃止し脱原発。電気量が減って今と同じような暮らしが出来ないならそのレベルでやっていく。というものです。
 それとは別に大きな余震が続く可能性のある東北では緊急避難的に原発をすぐに停止を要望。今月7日の東日本大震災の余震ですら宮城県の女川原発は耐震設計の想定を超える揺れで外部電源が一部遮断している。大きな余震が数年間、続くのがわかっているのに平気で綱渡りを続ける意味がわからない。1年とか2年とか期間を区切りその期間が過ぎたら原発の是非はおいといて電源を再度入れても良いからとにかくまず緊急避難的に停止すべきだと考えます。ただでさえ制御不能な原発を抱えているのにひとつでもふえるのは大きな負担になるのは明白。少なくとも今、東北の原発は地震でも安全ですよと言われても信用するのは無理。
 これをエントリーしようとしたらいつもこのブログを見てるよ、という仙台の女性から電話。私も同じ考えだよ、と言われ勇気づけられた。嬉しかった。原発から100kmの距離があるからか仙台の人たちと話をすると地震や津波の話は共感して話が出来るけれど放射線の話になると楽観的な方が多く気持ちが全然違う。東電の金にものを言わせての広告やプロパガンダが成功しているのか、お前何言ってんの?というムードに包まれる。それ以来個人的に放射線の話はあまりしないようにしていた。だから余計勇気づけられました。「ありがとうございます。今度、仙台に会いに行きます。お茶しましょ・笑」
【2011/04/19:追記】
角田市の隣の丸森町は有志がすでに要望書を出したそうです。
また同様の行動をされている方がいらっしゃいましたので情報を載せておきます。

【2011/04/19:さらに追記】
今日、文部科学省からの発表
福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について
3.8μSv/hって。文部省は子供を守るためにあるんじゃないのか。