壊された5つのカメラ

 「壊された5つのカメラ(Five BrokenCameras)」を観た。(公式サイト
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 パレスチナ人の主人公は4人めの男の子が生まれて、カメラを手に入れる。イスラエルが作ろうとしている分離壁が、村を真っ二つにし耕作地の半分がその建設地になってしまう、という計画なのを知り、息子の成長だけでなく村人たちの抵抗運動も撮影していくことになる。そうやって撮影されたフィルムで構成されるドキュメンタリー。映画に編集されているのは、ついこの間2005年〜2010年の出来事。
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 送っていただいたパレスチナ・オリーブの通信にチラシが同封されていてこの映画を知った。パレスチナの問題は僕には複雑で理解が足りていないのだけど、パレスチナの美味しいオリーブ・オイルを料理に使いパレスチナの石鹸を生活の中で日常的に使っているうちに「パレスチナ」を少し意識していたことと、僕には何でも写真や動画で撮影して記録したがる癖があるので、勝手にシンパシーを感じて観に行こうと決めていた。
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 主人公の、農家だったイマードと、イスラエル兵の攻撃によって破壊されては修理し破壊されては新しいのを手に入れて撮影を続けた「5台のカメラ」。困難の中で撮影を続けた彼は、はからずも村の記録者となった。映画になることなんて想像していなかっただろうけど。
 初日の今日だけパレスチナ・オリーブの皆川万葉さんによるトークイベントがあるというので今日、出かける。(さらに先着限定のプレゼント!パレスチナ・オリーブせっけんもカミさんと僕ひとつづつゲット・嬉(毎日、使ってますが))
 理不尽な仕打ち、金曜日のデモ、延々と続く非暴力の戦い、見えない未来。原発事故が起きて今にも建屋が倒壊しそうなのに「事故は収束」しているというこの国の現実とダブルところが多かった。平和であればする必要のなかった、無駄に思える努力を延々と続けて行かなければいけない最低な現実。ただ彼らと僕らの間で決定的に違っていることは、ただちに命に関わる、ということだ。非暴力で武器を持たずに抵抗する彼らにイスラエル兵は「武器」を持って戦う。手榴弾の様な小型の爆弾なんかボール遊びをするかのようにどんどん投げる。
 実際、希望が見えずに暗くなりがちな抵抗運動の中にあって明るく、希望をふりまいて村民に愛されていた人もあっさり殺される。子供も。
 最前線に否応なく送られるイスラエル兵もまた、恐怖の中で戦っているのであろうけど。
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 映画を見終わった後、友だちと近くの喫茶店に行き、パレスチナ・オリーブの皆川万葉さんとも初めておしゃべりをして帰る。
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 それにしても「桜井薬局セントラルホール」の上映ラインナップはすごい。意気を感じるに充分な映画が上映中&上映を待っている。
 見たいけど、DVD化はされないだろうし見ることは出来ないだろうと思っていた「カリフォルニア・ドールズ」も今月、上映予定!絶対行く!
 そして年が開けたら園子音監督の「希望の国」。各方面で腰が引けてるなか、ありがとう、桜井薬局セントラルホール