永遠の嘘をついてくれ

何か世界というか、自分を包む大きなものに対する信頼が無意識のうちにでもある、という状況だったら「永遠の嘘をついてくれ」という気持ちになるだろうし、そう言うのも良くわかる。僕もそんなセリフを言いたいタイプだった。

ただ、嘘と利権にまみれた原発、放射能だらけ。金のために平気で命や子どもの未来をないがしろにして平気になってしまったこの国で今、このセリフを素直に聞けない。

放射能を撒き散らされる前だったら、額面通りこの詩のメッセージを受け取れたのかもと思うと今の世で提出すべきメッセージは超ポジティブなものしか残されていないんだろうな、と思う。隠喩とか暗喩とか難しい。園子音監督が「ヒミズ」のラストで完全にシニカルなメッセージ抜き、馬鹿みたいに前向きなメッセージで物語を締めくくったように。

俺はその馬鹿みたいに前向きなメッセージに、泣いて泣いて泣いて、やっと少しの前向きなエネルギーをもらった。

数年前なのに時代は変わってしまった。こんな幸せがあったんだ、と思いながら聴いた。
吉田拓郎&中島みゆき ♪永遠の嘘をついてくれ

なんて、素晴らしい世界。