雨の日の石磨き

雨の日の外仕事は辛い。
特に形を作る仕事ではなくて磨きの仕事は。

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しかも、いま制作中の作品は機械だけで磨けない形をしているので淡々と砥石を使って手で石を磨く。一日中。仕事の進み具合を実感できずに作業を続けなくてはいけないから、テントの下で雨だれの音を聞きながら寂しくなってくる。人生の残り時間が少なくなっているのにこんな事してていいのかと、たそがれる。

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仕事場入り口の雑草の葉にセミの抜け殻を見つけた。
ここは小さな杉林だった。去年全て切り倒されて携帯のアンテナが建ってしまった。

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木が切り倒されてしまい樹液も吸えなくなってどうやって命を永らえたのだろう。地上に出ようと思って地上を目指していてコンクリート基礎に当たってしまい、地上にでられず力尽きたものもいただろう。やっとの思いで地表に出てもそっくり反るために掴まる杉の木も枝もない。

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それでもなんとか葉っぱに掴まって羽化に成功したみたいだ。楽しい夏を、セミよ。

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蝶は雨の中ねじ花に掴まってじっとしている。
生き物も必死に生きてる。

雨の日は辛いとか言ってる場合じゃないな。