私の男

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「私の男」を観た。
人間をそのまま描いた作品の感想を、今はまだ文章で書くことが出来ない。

14062902 事前にネットで座席まで指定して予約できて、スマホの画面のQRコードをかざして発券するのは便利だけど、半券はとっておく気にもならない素っ気なさ。

必死に並んで2時間を超える映画をロードショーで「立ち見」で観たり、池袋の固い椅子の名画座で3本立てを観て、夕方気が付けば立ち上がれないほど尻が痛くなった事が、今と地続きの自分の青春時代の出来事だったとは信じられない。

ちょうど今日、この作品がモスクワ国際映画祭で最優秀作品賞と最優秀男優賞を受賞したニュースが入ってきた。

「私の男」に最優秀賞、浅野さん男優賞 モスクワ映画祭
2014年6月29日00時30分(asahi.com)

 28日まで開かれていたロシアのモスクワ国際映画祭で、熊切和嘉(くまきりかずよし)監督(39)の「私の男」がグランプリ(最優秀作品賞)を、主演の浅野忠信さん(40)が最優秀男優賞を受賞した。日本作品のグランプリは1999年の新藤兼人監督「生きたい」以来、日本人の男優賞は83年の加藤嘉さん(神山征二郎監督「ふるさと」)以来となる。

 公開中の「私の男」は、浅野さん演じる男が20代半ばで遠縁の娘(二階堂ふみ)を引き取り、16年にわたって禁断の関係を続けながら、寄り添うように生きていく物語。桜庭一樹さんの直木賞受賞作を原作にしている。

 熊切監督は98年に「鬼畜大宴会」で監督デビュー。近年は「海炭市叙景」「夏の終り」など文芸作品の映画化で力量を示している。浅野さんは90年に「バタアシ金魚」で映画デビュー。大島渚監督「御法度」や山田洋次監督「母べえ」など日本を代表する監督の作品に出演を重ね、2011年にはハリウッドデビューも果たした。
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 〈熊切和嘉監督の話〉 「私の男」は企画段階から完成に至るまで、様々なトラブルに見舞われた映画でした。それが、モスクワ国際映画祭でグランプリ&主演男優賞だなんて、神様もいたんだなあと。最高です。映画監督になって15年になりますが、結果的に「私の男」が今までで一番、「やりたい放題」やらせていただいた映画でした。映画を志していた少年時代に抱いていた思いが、確信に変わりました。これからは、より気合を込めて「やりたい放題」やっていこうと思います。スタッフ、キャストはじめ、この映画に関わった全ての人に感謝致します。本当にありがとうございました。
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 〈浅野忠信さんの話〉 とてもうれしいです。この作品に対しての意気込みや思い入れは、誰にも負けないものでしたし、役作りに関しても、与えられた時間を生かし見えてくるものが大きかったため、力が入ってました。正直思い入れが強すぎて、焦ってしまったり、熱くなりすぎてしまうことがありました。まさかこんな形で報われるとは思っていなかったので、今は素直に皆さんに感謝しております。自分はまともでない時もありますが、自分の好きなことに対しての情熱を強く信じております。ですからどうかこれからも見続けていただけるとうれしいです。

※公式サイト「私の男」