千住真理子 ヴァイオリンリサイタル

 千住真理子さんのヴァイオリンリサイタルに出かけた。最初の音が響き始めたとたんホールの空気が変わった。ヴァイオリンの音は今までに何度も聞いたことがあったけど全然、別物だ。大好きっていうフィルターを通しているのもあるのだろうけど“ストラディヴァリウス”「デュランディ」の力もあるのかも。
 個人的に良かったのは「白鳥」「ラストナイト」「モンティ」とアンコールの3曲(全ての演目は続きに)
「ラストナイト」は千住真理子さんの兄、明の処女作なのだそうだ。一緒に暮らしていた祖父が亡くなった時に書いた曲で、ヴァイオリンの演奏を一時的にやめていた真理子さんが久しぶりにヴァイオリンでその曲を演奏したのだという。プライベートな思い出の詰まった曲で、当初一般に公開するつもりはなかったという。でも悲しくて優しくて良い曲でした。演奏も素敵。
 民族音楽の「モンティ」の演奏も最高だった。情熱的な旋律と悲哀を同時に表現するのにヴァイオリンはぴったり。
 ちなみに演奏会の準備は昨日の夕方から丸1日をかけて準備されたとのこと。演奏会スタート時の室内温度は25度、湿度は49%。実は演奏に使われた「デュランディ」は非常に繊細なヴァイオリンで湿度50%以上になると音が鳴らなくなってしまうのだそうだ。それだけでなく楽器が壊れていく。そうならないように、最高の状態で演奏が出来るように昨日から温度と湿度の調整が続けられたというのだ。


 今宵の演目。
・2つのメヌエット J.S.バッハ/千住明 編曲
・アヴェ・マリア J.S.バッハ/グノー
・アヴェ・マリア シューベルト
・ヴァイオリン・ソナタ 第28番 ホ短調 モーツァルト
・花の歌 ランゲ
・白鳥 サン=サーンス
・くまんばちの飛行 リムスキー=コルサコフ
我が母の教え給いし歌 ドヴォルザーク
・「ジャンニ・スキッキ」より”私のお父さん” プッチーニ
・ラストナイト 千住明
・チャルダッシュ モンティ
〜アンコール〜
・愛のあいさつ エルダー
・ユーモレスク ドボルザーク
・G線上のアリア バッハ