情報弱者

 アメリカで問題になっていることのひとつに「情報弱者」の問題がある。インターネットに繋がっていることが前提になっているために、多くの情報がネットだけで提供されその情報にアクセス出来ない世帯で本来受けられるべき社会福祉などの権利を受けられない。
 これがそのまま日本の原発問題に当てはまるのが恐ろしい。例えば今日の朝日新聞で放射性物質の被曝を心配している「妊婦」への答えがこれだ。

 100ミリシーベルト以下の被曝では、胎児への影響(奇形など)は起こらないと考えられる。胎児が将来がんになる危険性は、食事や喫煙といった生活習慣など、放射線以外の原因で生じる危険性と比べて、現時点でははるかに小さい。

 妊婦にこんな事を後に残る文字にして書ける新聞てすごい。100ミリって。YouTubeでチェルノブイリの動画を1本も見てないんだろうか。
 先日のエントリーでも書いたけど煙草と放射線被害を比べるのは犯罪的な行為。それが旧態已然の新聞、テレビ、ラジオでは今でも当たり前に報道され続けているのは恐ろしい現実。煙草より放射線の方が安全とする発言をする人は、裁判にかけられないか検討されているしネットに繋がっている僕らにはその異様さを客観的に見られるけど「新聞に書いてあったから」(正しい)とか天下のNHKが言ってるから(正しい)という人がこの世にもまだいる。そんな情報にだけしか接することがない人に僕らが何をどう伝えたらいいのだろう。
 おとといの田中優さんの講演会の後、スタッフと田中さんの懇談会の席で出た話は象徴的だ。
テレビ・新聞・ラジオ(といった旧態已然のいわゆる記者クラブメディア)の情報にしか接していない人と、インターネットの情報に接している人との間の情報の格差は恐ろしい。さらにインターネットをやっていてもウェブサイトを見ているだけの人とツイッターをやっている人の間での情報の格差もすごい、と。ツイッターを日常的なツールとして使っている人でこの意見に異を唱える人はいないだろう。
 田中さんはネットに繋がっていない人には話をしたりしてその間を埋めてあげる努力が必要と言っていた。だからあえて古いメディアの「新聞」を印刷して福島のおじいちゃんおばあちゃんに配っている。素晴らしい。僕も地元のじいちゃんばあちゃんにツイッターレベルの話をわかりやすく話していこうと思いました。不安をあおらないように気をつけて。