仙台から帰り道。カミさんと閖上(ゆりあげ)を目指す。
動く彫刻で世界的に知られる新宮晋氏のアート・プロジェクトが津波で壊滅的な被害を受けた漁港で行われている。(詳細はこちら)
好きな作家で講演会にも行ったけど、パブリック(公的)な場所に大型彫刻を置くときの安全の問題、も確認したくて会場に出かけた。
大好きなクリストのアンブレラ・プロジェクトも強固なコンクリートの台座に固定されていたけど、残念ながら強風で死傷者を出してしまった。それほどパブリックに仮設のものを置くのは難しい。
と思って現地で見たら、基本的には置いてあるだけでびっくりした。風を受けて柔軟に受け流す事で動きが生まれる「動く彫刻」だから風をはらんで動いたり倒れたりする事は無いのだろう。世界中をキャラバンすることが出来た素晴らしいシステムだ。
《元気のぼり》プロジェクトの鯉のぼりがここと、
かまぼこ「佐々直」本店と閖上小学校に飾られて風になびいている。ここ閖上の浜は津波で壊滅的な被害を受けたところ。申請すれば市が費用を負担して被災建築物の撤去をしたので殆どの家屋は無くなって基礎のコンクリートだけが残っている。ただ、この「佐々直」本店は「後世に震災の被害を伝えたい」という社長の強い思いのもと、現在まで保存が続けられているそうです。
少し小高い日和山からの景色。基礎だけが残るその上に、人々の暮らしがあったのです。(合掌)
新宮晋氏のプロジェクトの一環で日和山の斜面に「元気」の風車が。
まともなカメラもムービーカメラも持っていなかったので、コンデジによる記録的な動画ですが、今日撮った、ひどい画質のムービーも貼っておきます。
宮城県美術館にパーマネント設置されている新宮晋さんの動く彫刻の動画はこちらに。
明日が最終日です。風で動く立体造形21基をたたみ梱包して、このイベントは終了するとの事です。