ともかさんのスピーチ

この1週間、何度も見なおしている、ともかさんのスピーチ。安倍首相や現政権の一線を超えてしまった行動に、怒りで頭が発狂しそうになる度に。冷静に、冷静に。熱い心を持ったまま静かに世界平和・戦争反対を続けていくために。

安保法案に反対とか戦争反対とか、反対ばっかり言ってる人いるよねって、disりがすごいけど、戦争反対と世界平和を両方やればいいだけなんだよね。

 こんばんは、今日はわたし、本当に腹がたってここにきました。

 国民の過半数が反対しているなかで、これを無理やり通したという事実は、紛れもなく独裁です。

 だけど、わたし、今この景色に本当に希望を感じてます。

 大阪駅がこんなに人で埋め尽くされているのを見るのは、わたし、初めてです。この国が独裁を許すのか、民主主義を守りぬくのかは、今わたしたちの声にかかっています。

 先日、安倍首相は、インターネット番組の中で、こういう例を上げていました。『喧嘩が強くて、いつも自分を守ってくれている友達の麻生くんが、いきなり不良に殴りかかられた時には、一緒に反撃するのは当たり前ですよね』って。ぞーっとしました。
 この例えを用いるのであれば、この話の続きはどうなるのでしょう。友達が殴りかかられたからと、一緒に不良に反撃をすれば、不良はもっと多くの仲間を連れて攻撃をしてくるでしょう。そして暴力の連鎖が生まれ、不必要に周りを巻き込み、関係のない人まで命を落とすことになります。

 この例えを用いるのであれば、正解はこうではないでしょうか。

 なぜ彼らが不良にならなければならなかったのか。そして、なぜ友達の麻生くんに殴りかかるような真似をしたのか。その背景を知りたいと検証し、暴力の連鎖を防ぐために、国が壊れる社会の構造を変えること。これが国の果たすべき役割です。

 この法案を支持する人たち、あなたたちの言うとおり、テロの恐怖が高まっているのは本当です。テロリストたちは、子供は教育を受ける権利も、女性が気高く生きる自由も、そして命さえも奪い続けています。

 しかし彼らは生まれつきテロリストだった訳ではありません。なぜ彼らがテロリストになってしまったのか。その原因と責任は、国際社会にもあります。9.11で、3000人の命が奪われたからといって、アメリカはその後、正義の名のもとに、130万人もの人の命を奪いました。残酷なのはテロリストだけではありません。

 わけの分からない例えで国民を騙し、本質をごまかそうとしても、わたしたちは騙されないし、自分の頭でちゃんと考えて行動します。

 日本も守ってもらってばっかりではいけないんだと、戦う勇気を持たなければならないのだと、安倍さんは言っていました。だけどわたしは、海外で人を殺すことを肯定する勇気なんてありません。かけがえのない自衛隊員の命を、国防にすらならないことのために消費できるほど、わたしは心臓が強くありません。

 わたしは、戦争で奪った命を元に戻すことができない。空爆で破壊された街を建て直す力もない。日本の企業が作った武器で子供たちが傷ついても、その子たちの未来にわたしは責任を負えない。大切な家族を奪われた悲しみを、わたしはこれっぽっちも癒せない。自分の責任の取れないことを、あの首相のように『わたしが責任を持って』とか、『絶対に』とか、『必ずや』とか、威勢のいい言葉にごまかすことなんてできません。

 安倍首相、二度と戦争をしないと誓ったこの国の憲法は、あなたの独裁を認めはしない。国民主権も、基本的人権の尊重も、平和主義も守れないようであれば、あなたはもはやこの国の総理大臣ではありません。

 民主主義がここに、こうやって生きている限り、わたしたちはあなたを権力の座から引きずり下ろす権利があります。力があります。あなたはこの夏で辞めることになるし、わたしたちは、来年また戦後71年目を無事に迎えることになるでしょう。

 安倍首相、今日あなたは、偉大なことを成し遂げたという誇らしい気持ちでいっぱいかもしれません。けれど、そんな束の間の喜びは、この夜、国民の声によって吹き飛ばされることになります。

 今日テレビのニュースで、東京の日比谷音楽堂が戦争法案に反対する人でいっぱいになったと見ました。足腰が弱くなったおじいさんやおばあさんが、暑い中わざわざ外に出て、震える声で拳を突き上げて、戦争反対を叫んでいる姿を見ました。

 この70年間日本が戦争せずに済んだのは、こういう大人たちがいたからです。ずっとこうやって戦ってきてくれた人達がいたからです。

 そして、戦争の悲惨さを知っているあの人達が、ずっとこのようにやり続けてきたのは、紛れもなくわたしたちのためでした。ここで終わらせるわけにはいかないんです。わたしたちは抵抗を続けていくんです。

 武力では平和を保つことができなかったという歴史の反省の上に立ち、憲法9条という新しくて、最も賢明な安全保障のあり方を続けていくんです。わたしは、この国が武力を持たずに平和を保つ新しい国家としてのモデルを、国際社会に示し続けることを信じます。偽りの政治は長くは続きません。

 そろそろここで終わりにしましょう。新しい時代を始めましょう。

 2015年7月15日、わたしは戦争法案の強行採決に反対します。ありがとうございました。

日時 2015年7月15日(水)
場所 梅田ヨドバシカメラ前
主催 SEALDs KANSAI
(全文書き起こしは IWJサイトから)

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それにしても(アメリカに従順な)安倍さんと(安倍さんに従順な)人たちは勝手な解釈をして、数で無理押しして、何でも通せるって実際にやってみせてしまった。戦後、何十年も多くの人が大切に大切に扱ってきた「法秩序の連続性が切断された」。
今、安倍のやりたいことは数で何でもできる異常事態。(普通、ファシズムっていうけど)その異常を報じるべきマスメディアは安倍とお食事。この状況で自公を支持するのは民主主義の否定、っていうか、たぶんこの国には本当の民主主義は無かったんだな・悲
僕らはきっと、すごく大切なモノを失った。

今起こっていることは、安倍さんがやるといえば、
日本は、戦争を始められる、ということになろうとしている。
これはとんでもないことだ。絶対に許してはならない。
ノーベル物理学賞受賞者 益川 敏英氏

まさか、民主主義=多数決と思ってる人いないよね。
もしかしたら安倍さんは知らないかもしれないけど。

選挙で勝った政党が法案を採決したのに、なぜそれが「民主主義の破壊」になるんだ?という批判を見かけるが、民主主義=多数決と思い込んでる人の典型的な誤り。選挙で勝っても憲法違反の法案を通す権限は誰にも与えられていない。今回の採決は完全かつ重大で深刻な反則。レッドカード。
もし選挙で勝てさえすれば憲法違反の法案を通せてしまえるのであれば、たとえば「政府批判をする人間は逮捕・投獄できる」という法案だって通せてしまう。安倍政権が今回やったことは、法の支配や立憲主義という民主主義の大原則を根底から毀損した行為であり、したがって民主主義の破壊に他ならない。
想田 和弘

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