海街diary

「海街diary」を見た。是枝裕和監督の作品は内容がわからなくても新作は見ると決めている監督のひとり。

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是枝監督の描く人と人の関係に惹かれる。
是枝作品はみんなそうだけど、本当の生活者を撮っているみたい。セリフがセリフではなくて本当に喋っているみたい。演技をしていないように自然に演じている、と感じるのではなくて本当にナチュラル。この映画も思わず口をついて出たとしか感じられないセリフがたくさん。四姉妹に寄り添っているように感じられてくる。
そしてピントがものすごくピンポイント。4姉妹が話していてもひとりにしか合っていなかったり、ひとりのアップでも目にだけピントがあっていたり。でも考えてみたらまんべんなくピントがあっている方が不自然で、この撮り方で感じるリアリティもあった。

それにしても、年とったなぁ、と思う。それは夫婦50割で安く入れるからじゃなくて(笑)すぐに涙が出てきてしまう。例えば、サッカーのチームメイトと自転車の二人乗りをして満開の桜のトンネルを走って行く、すずの顔がアップになったらもうダメ。なんで涙がでるのかわからないけど出る。俺みたいに汚れていない、若い命のみずみずしさにやられるのかな。とても印象的なシーン。

とても良い映画だった。

以下の写真は公式サイトNEWSから。

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【2015/07/21:追記】
自然なセリフを引き出すマジックがメイキングで垣間見られた。すずには台本も渡されておらず、シーンごとに監督がセリフを押して、すずの状況を話したりしている。