佐藤さんちで甲野善紀さんと

午前中で仕事をあがって七ケ宿へ出かける。

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いつか実現したらいいなと願っていたことが、いくつも叶う日。全天の空は朝、仕事している時から今日を祝福するかのような美しい空。連休で七ヶ宿ダムの脇を車やオートバイで走る人も気持ちが良いだろう。

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七ケ宿で白炭という白い炭を焼いている佐藤光夫さんとその炭の粉を使ったクッキーやケーキを焼いている円さん夫婦に家に招待していただいた・嬉
最近はいろんなイベントでもお菓子や炭を「すみやのくらし」ブランドで販売しているおふたり、ふと思いついて午前中に屋外でもチラシが飛ばないようにペーパーウェイトを兼ねたストーンプレートを彫った。

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いつもは文字に黄色い色を入れるのだけど、初めての黒色バージョンで。(本当は白炭にちなんで白にしたかったけど目立たないので)

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原発事故の後、おふたりとは放射能の問題で行動している中で出会った。何が何だかわからない原発事故後に宮城県南部の同じ思いで動いている人たちと、いてもたってもいられずに、いろんなところで集まって話し合って行動していた頃は、その「仲間」の顔を見るだけで元気になれたし、勇気をもらった。溺れる中で手を繋いで助け合うような出会いだった。

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炭を焼いている。自然に包まれて自然とともに暮らしているようなライフスタイルをいつか見に行きたい、炭焼きの窯も見たいとずっと思っていた。いつでもどうぞ、と言ってくれていたけど仕事の場に遊び感覚で行くのはためらわれて実現できないでいた。

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とうとう見ることができました。窯は思ったより無骨で力強かった。そうか今まで見た窯は焼き物の窯だからレンガを使って整然と組まれていたけど、自然の石と粘土で組まれた窯は、ひとつひとつの石の形がむき出しで力強い。「白い」炭。

僕が何度も見た動画。初めていきなりマサカリを横に振るところを見た時は心臓が止まりそうになるくらいびっくりした。薪を立てに置き直さないし、マサカリの振り下ろし方も「普通」と全然違っていて驚いた。僕も自分の身体を使って仕事をする(簡単にいうと肉体労働ですねw)ので、いかに疲れないで最大の効果をあげるか、ということは常に意識の中にある。そのすごい実践例を見つけた!と思った。刃が薪にあたっている瞬間の体の状態、というか普通の人が一番踏ん張る瞬間の両足が一瞬大地から浮いている。これはただ者ではないと思った。

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光夫さんの初、生薪割りも見せてもらって感激、っていうかサンダルでいきなり足元に振り下ろしたよ!(良い子は絶対に真似しないでくださいねw)

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朝から楽しませてくれた雲は、七ヶ宿の空で美しい夕焼けに鳴った。なんとも言えないグラデーション。

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普通の人と使う体の形が違う。甲野先生の理論が入った身体の使い方だとしても、薪割りは光夫さんの方が上手ですと先生に言わしめる日々の実践をこの目で見られた。願いが叶った。

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「大」くん。「吉」くんと別れてさみしがりやになってしまったんだって。昔飼っていた愛犬小春に似ていてカミさんは何度も撫でていた。

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突然だけど、以前読んで衝撃を受けた武術家の甲野善紀さんの本。何度も読みなおしてボロボロだけど。

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体の使い方、その動かす時の方法論に驚いた。科学では説明できない身体のコントロールの術。
大きな魚に食べられないように海な中で小魚がひとかたまりの魚群となって泳いでいる。それが一瞬で向きを変えるように「反転」するとき全ての魚が個々に動いて、しかも全体として塊が反転する—そういうよな事が体の中でも起こる、という事を読んだ時の衝撃。自分では出来ないけど、やったこともないけど、それは起こりえるはず、と思った。(原文を探せなかったのでこの説明の文責は僕にあります。先生の本当の考えをきちんと表せていない可能性大です)以来、甲野善紀さんのファンになって著作も何冊か読ませてもらったし、いつかその身体の使い方を実際にこの目で見るか、講座などで体感出来ることがあればと思っていた。

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で、その甲野さんが佐藤さんちに泊まりに来てる。

円さんの白イチでの出張販売の応援に出掛けた時、なにかのきっかけで僕が甲野さんのファンだって話になって、佐藤夫婦と甲野さんは長い付き合いで今度また泊まりにくるから、その時家においでよって誘ってくれていた。「その頃は個展直前で制作してるからたぶん無理」と(えらそーに)一度は断ったんだけど、やっぱりあきらめきれずに来ました。

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話をさせてもらっただけではなくて、「ちょっと立ってみて」と言って組み合って信じられない体勢から甲野さんが立ち上がってくるところとか、踏ん張るしか出来ないはずの重心のかかった方の足が(科学的には説明できないけど)浮き上がって、一瞬のうちに防御をかいくぐって僕のすぐ横に来ている、とか。気が付けば甲野さんに実際にやってもらい見せてもらっていました。
叶った。

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(甲野先生ふくめて)みんなで剥いた栗を円さんが栗ごはんに炊いて振る舞ってくれた。

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円さんとの「乾杯」の願いも(笑)4年ごしで叶いましたよ!いろいろ夢の叶う日だ。

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武術家として帯同を許可されている真剣の日本刀をうなじに振り下ろし、僕とカミさんの邪気を払っていただいた。(すごい衝撃で恐かったw)

他のお客様も含めてみんなに見送られて名残惜しく家路についた夜でした。なんて幸せな。
光夫さん、円さんどうもありがとう。