笑えない

先日、生まれて初めての大腸ガン検診を受けた。ガンではないだろうと思っていたし、大腸ガンは切れば治ることが多いから、深刻になることもなかったけど、実はカミさんも血液検査で少し気になる結果が。腫瘍マーカーのProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体)という値が上昇して正常値よりやや高かった。肺がんの可能性があるんだという。

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そこで地元の病院で血液の再検査をした。最近、心労が絶えない出来事が続いたので一時的に上がっていただけではないかと楽観して。するとさらに高い計測値が出てしまった。低線量被曝地で暮らしているので市の健康診断でもレントゲン等は被曝を考慮して休んでいるのだけどレントゲンとCTスキャンを受けた。レントゲンの結果は異常無くやっぱり間違いだったと思うも念のため予定通りCTを受けたら肺がんの疑いは無いことがはっきりした。ところが膵臓(すいぞう)の形が不自然だという。膵臓ガンは体の裏の見つけにくいところにあり、しかも自覚症状が殆ど無いので、見つかった時にはかなり深刻な事態になっていることが多い、そうだ。術後1年後の生存率は50%というから過酷だ。改めてCTの予約を入れる。

肺がんの疑い、と言う時点でも大変だったのに、今度はすい臓がんの疑い。我が家はずっと通夜のようだった。そして、やっと今日CTの検査の日になり、その結果が判明した。
ガ ン で は な い
カミさんの膵臓は尻尾の様に伸びている部分が少し大きかっただけということだった。

数週間ぶりに心から笑ったカミさん。生きた心地しなかっただろう。長かった。初めて夫婦の間でリアルに「死」を意識し考えた期間だった。せめてこの辛かった期間に考えたことを今日からに活かしていかなくては。

梅雨が明ける、という言葉があるけれど、通夜が明けた様な感じ。今回は笑って済ますことが出来たけど、僕らの身近にも深刻な事態にある方もいる。
「みんなが健康になりますように。」
この言葉、この数週間を経て今までと全然違う気持ちで使っている。言葉に込める重みが違う。

血液検査は僕も受けている。放射能事故のあと低線量被爆地に暮らしている僕らに甲状腺検査をしてくれているお医者さんがいて経年変化をチェックしているのだ。ちなみにこれは僕の2012年の11月の検診の結果。これが放射能由来かどうかは経年変化をていねいに見ていかないとわからない。

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それにしても、原発を作った自民党の安部首相はダダ漏れの放射能汚染水をアンダー・コントロールと言い、放射能の問題は福島だけの問題に矮小化しようとしている。放射能は県境で止まらないし、海でも止まらない。口からでまかせの願望で話を進めるところが子供じみていて恐い。信じたくてもそうならない現実がある。宮城県知事も自民党と同じように宮城県には放射能の被害はないという立場をとったために放射能の対策はほとんど講じられていない。僕らが望んでいる甲状腺検査や血液検査を国や県はやらない。僕とカミさんが受けている甲状腺検査は放射能事故以来、毎月、宮城県南部に九州!から来てくださっているお医者さんの検査を受けている。飛行機代から何から全て手弁当。使命感でやっていただいている。(なんで地元でやらないのだ、狂ってる)

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この国を治める人たちは、自分たちが推進してきた原発が事故を起こして放射能をまき散らしても、あやまりもせず、反省もせず、ましてや海外に売ろうとしている。700億円をかける選挙の争点は「アベノミクス」だって。解散の言葉の中に原発の被害者をおもんばかる言葉は無かった。「福島の復興なくして日本の再生は無い」と言っていたのに。っていうか放射能の被害者は福島だけじゃないのに。っていうか放射能で苦しむ人を生んだ原発、日本にある全ての原発を作ったのは自民党なのに。

原発関係者が誰もケツ拭かない国に明日があると思いますか?(矢沢永吉)