「さよなら渓谷」を見た。
尾崎俊介と妻のかなこのふたりの物語。
ひどい事件の加害者と被害者が一緒に暮らす理由。
どうしてもあなたが許せない。
私が死んで、あなたが幸せになるのなら、私は絶対死にたくない。
あなたが死んで、あなたの苦しみがなくなるのなら、
私はけっしてあなたを死なせない。
だから私は死にもしないし、あなたの前から消えない。
だって私がいなくなれば、私はあなたをゆるしたことになってしまうから。
真木よう子さんは、小さい頃から女優になることを決意していたと何かで読んだ。この映画の画面の中での存在感がすごい。
エンドロールで流れる歌がすごく響く。最初で最後だと言う、真木よう子のかすれた声の「歌」が響く。かなこが歌っている。その声と歌詞にほんの少しの希望を感じる事ができた。その歌声で少し救われた。この曲を作ったのは誰なのかクレジットを目で追っていたら椎名林檎だった。簡単に天才という言葉で片付けてはいけないんだろうけど、本当にすごいな。
映画の話からずれるけど、椎名林檎と西佳奈子の対談がすごく刺激的。作品を生み出すことについての赤裸々に語っている。椎名林檎さんが、作品と自分には別物で距離があると語るのには西佳奈子さんとおなじように、えええー！と言いたくなるほど驚いたけど、自分から出てきたモノではなくて、望まれるモノを、プロとして職人として作品を生み出すことに徹底している。だからこそ、この微妙なバランスでギリギリ成り立っているような映画のエンディングテーマにぴったりな曲を作ることができるのだろう。そして、そのレベルがいつも、いつも高くて思わず簡単に「天才」と言ってしまいたくなる。
SWITCHインタビュー 達人達（たち）アンコール 椎名林檎×西加奈子… 投稿者 bbzzb
このエントリー馬鹿みたいに、すごい、すごいとしか書いてない。
「私の男」を見たときと同じように、思いを言葉に出来ない。
今はまだ頭も感情も整理できなくて、簡単に感想とか書けないけれど、この映画を見た事は、これからに影響するだろうな。