ボートの三人男

「ボートの三人男」を読んだ。
ジェローム・K. ジェローム著、丸谷 才一訳。(中公文庫)
書評で東海林さだおさんが推​薦していて、文庫の表紙が和田誠さんで、訳が丸谷 才一さんという好きな人の名前ばかりでてきたから予備知識無しに買って読んだ。副題に「犬は勘定にいれません」とあるのにも、何となくひかれた。

ジョージとウィリアム・サミュエル・ハリスとぼくの男三人と、モンモランシーという名の犬一匹でテムズ川にボートを漕ぎ出しアウトドアライフを楽しむ?2週間の物語。次から次へとよくもまぁこれだけくだらない出来事が起こり、くだらない対処をするのかと思う。(ほめて書いています)相当、文章が達者じゃなきゃそれだけで300ページも持たせられない。しかも歴史や地理のうんちくがはさまり、時々急に、人生の深淵に迫るような真面目なことをそっと言ったりするから気が抜けない。
読み終わったら、解説が井上ひさしさんで好きな人ばかり登場して得した気分。

15020201

世の中、ちょっと殺伐としすぎ。今のあまりにもひどい現実からの、逃避的な読書であったことは否めない。