石の中の宇宙

雨。雪ではなくて。

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ウグイスが鳴いている。今年、初めて聞いた。雨の日の外仕事の嬉しいプレゼント。

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「満開」の蕗のとう

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伊達冠石の小さなかけらを割ったら、宇宙があった。

石の中にすでに入っていた亀裂に沿って割った。だけど僕が割らなければこの時代の空気に触れなかったかもしれない面。道具を使って石を割ることもあるけど、それは僕が割らなければ、永遠に近い時間、日の目を見なかったに違いない面。畏れに近い感情を覚える。何となく手を合わせたくなる。僕と石では圧倒的に命の時間が違うから。

僕に出来るのはせめて割った面を大切に作品にすることくらい。それが”Border”という作品のシリーズを作り始めたきっかけのひとつ。それに、僕にとっては石の割れた面が美しくてたまらない。それを削ってしまわないで最後まで残して作品に取り込みたいと願った。オヤジが「石の割れた面が美しい」なんて力説すると気持ち悪いだろうけど、最近は作品を前に話すと「本当にね」と言ってくださる方が増えて幸せ。

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しばらく経つと、割れた面から水分などの成分が蒸発するのか、こんな雨の日でも雨の当たらないところに置いておくと宇宙のように漆黒だった色が少し白っぽく変わってくる。自然て本当に微妙。割った面で対称に並べてみた。