早朝に玄関のチャイムが鳴る。出てみたら近所の方。自転車の荷台にネットにぎゅうぎゅうに詰められた小さな新玉ねぎ。
ネットから開けたらこんなに!
土手に出てる破竹採れるだけ持っていってもらう。
自転車の後ろに縛り付けて颯爽と帰って行かれました。
かっこいい。ありがとうございます!
先日、この方が新玉ねぎたくさん持ってきてくれた時に
「畑に小さいのもたくさんあるんだけど誰も欲しいって言わないからなげるようだ(捨てることになりそうだ)」と言うので
「毎年この時期に必ず小さな新玉ねぎじゃ無いと作れないスープ、小さな玉ねぎ必死に探して作ってるんです!」と言ったら
「今度、持ってきてけっから(あげるから)」と今朝持ってきてくれたのだ。嬉しすぎ。せめて土手の破竹持てるだけ持っていってもらう。
石彫り前に早速スープ作っていく。僕の台所のバイブル、辰巳芳子さんのレシピで。
辰巳芳子さんは直径4㎝以下のものを推奨してる。
それもできれば淡路島さんのもの。
今回は寸胴鍋いっぱいに玉ねぎ30個で作る。この量だと皮剥きも大変。水に浸けておくとむきやすくなる。
この新玉ねぎのスープは小さな玉ねぎで作る。というより小さな玉ねぎじゃないと作れない。美味しくならない。だけどこの小さな玉ねぎを買うのが難しい。スーパーには普通の大きさの新玉ねぎしか置いてないことが多いので道の駅を探したり苦労する。今年は幸せだ。それにまだ何回か作れる。この大きさだと野菜の瞬間蒸しでいただいてもきっと最高の食感の火の通りになるぞ。
スープに昆布と梅干しの種とオリーブオイルも入れて火を入れる。昆布と梅干しの種を入れるのがミソ。説明を読むとその理由が腑に落ちる。
そしてこの梅干しも玉ねぎをくれた方が地元の梅で漬けたもの。この方梅干し名人なのだ。梅干し嫌いだった僕が今では日常的に食べるようになったのはこの方の梅干しに出会ったから。
今宵、とろりと玉ねぎを割ってスープを飲めるのを楽しみに仕事するぞ!
新玉ねぎのスープ、仕事してる間に
魔法の鍋帽子で保温しながらじっくり玉ねぎに火を入れてく。
この手作りの鍋帽子くれたおばさん、最近亡くなってしまったけど使う度に思い出してます。ありがとう。さあ、石彫りに出かけよう。
仕事場。
梅雨までの今の季節が新緑と青空が一番綺麗な季節。
仕事場の石テーブルでランチしようと友だちを誘う。
日焼けを気にするカミさんのためにタープ張っておく。
これは夏休みに宮城まで遊びに来てくれた妹一家の姪っ子のあっぴが地元の夏祭りで当てたもの。
仕事場用に今でも大事に使ってるよ!
美味しいパン屋さんでパン買ってくると言うので家からトースター持ってきた・笑
タープ張るだけで汗だく。暑い。
仕事場の石テーブルでカミさんと友だちのあやこさんとアウトドアランチ。なんて青空!なんて新緑!
あやこさんが庭のゆすらうめの枝を折って持ってきてくれた。美味しい。
楽しみにしていたパン屋さんのパンは今店舗移転中で買えず。
でも気持ちの良い日に屋外でみんなで食べれば何でもたいてい美味しい。てか、食べ過ぎた。
食後、仕事場を散策するふたり。
こうぞの実、
はないかだの花は小さくてかわいいと教えてもらった。今年はもう全部緑の実になっているから来年忘れずに見つけよう。
アカネ。それにしても山にひとりで分け入って行って植物や蛾の繭とか自然のものを大切にいただいてくる染色家のあやこさんは本当に植物に詳しい。胃の薬になる笹の食べ方教えてもらった。今度から調子が悪い時、仕事場でもぐもぐしよう。
みんなで食べ過ぎた(笑)ランチの腹ごなしにカミさんとあやこさんを仕事場の近くに生えている全国的にも珍しいセンダン大木を見に誘う。
ちょうど今頃、花が満開のはず。あやこさんの家の庭にはセンダンの木が生えているんだって。だから馴染みのある木だけどその大きさははるかに想像を超えていたみたいで驚いていた。
ちょうど花も満開。
ほとんど枯れて倒れるばかりにまでなっていたのを地元の方たちの努力で
奇跡的に樹勢が回復して最近は大木が満開の花をつける。
壮観。この命輝く風景を独り占め、じゃない
三人占めだもんなぁ、贅沢だなぁ。幸せな光景だ。
せんだん(栴檀)の花のアップ。
全国的にも稀なセンダンの巨木が満開。栴檀は双葉より芳し。辺りは無数の花からの香りに包まれている。そしてその香りに誘われたか、いろんな蜂たちが蜜を吸いに集まっている。たくさんの蜂たちの羽音で耳鳴りの様なワーンという音が木全体から聞こえてくるほど。
裏に回ると主幹の半分ほどが粘土でおおわれている。数年前に瀕死の状態になった時に腐った部分を取り除いて保護した跡だ。
本当に良くここまで見事に復活した。命ってすごいな。推定樹齢130年、樹高20m。
地面にも花が落ち始めている。もう少しすると絨毯の様になるぞ。
周りのにも何本もセンダンの木が生えている。大木があまりにすごいから目立たないけどもともとそれほど大きくならないセンダンにしては立派に育っている。駐車場の車の脇の大きな木もセンダン。
センダンの大木の満開の花をカミさんとあやこさんと一緒に見て僕は石彫りに戻る。
仕事場な戻る途中にある高蔵寺によって
手を合わせる。
樹齢800年の杉の大木に触れて
パワーをいただく。
新緑と青空を目にたくさん映す。
それ自体がエネルギーチャージになっている気がする。
名前が分からなくて悶々としていた仕事場でこの時期黄金色の穂を風に揺らすこの植物。あやこさんが名前教えてくれた。
チガヤだって。地下茎を伸ばして群生するイネ科の多年草。放っておくと背丈で他の植物に負けてしまうんだって。そうか、ここは僕が毎年草刈りをしているのでススキやセイタカアワダチソウが生えなくなってチガヤにとって変わったのか。
以前はススキだらけだった。ましてチガヤの穂が揺れるのを見たくてこの数年はあえて刈り残してた。僕に感謝しろよ、チガヤ(笑)そういえば数年前までススキだらけだったのに今では一本も生えてないな。
若い穂を口に入れて舐めると甘いんだって!今年はもう全部穂が膨らんでしまったので来年やってみよう!
朝、いただいてすぐに寸胴鍋に作った小さな玉ねぎのスープ。保温できる魔法の鍋帽子に入れて昼間石を彫っている間も火を入れた。夕方6時に帰ってきてもまだ熱くて鍋つかみを使わないとガス代まで運べないくらい。
大量に作ったので煮詰まって味が濃くなっていく事を想定して初日は味薄め。それを生かしてスープ煮ながらそれを使ってリゾットも作った。
ソフリットを作って凍らせてあるのですぐに作り始められる。冷凍してあったきのこも2種類使って旨味アップ。
米はつや姫。
スープの玉ねぎを煮るのと、リゾットを作るので一石二鳥。リゾットに継ぎ足し継ぎ足しするスープは沸騰してないといけないからね。
完成。早朝、近所の方にいただいた小さな新玉ねぎのスープとそのスープで作ったリゾットの玉ねぎづくしの夕食。
スープには畑のパセリ、
リゾットにはルッコラとイタリアンパセリ散らして。
小さな玉ねぎは完全に火が入ってとろり。スープにもしっかり旨味が出てる。小さな玉ねぎじゃないとこの美味しさが出せない新玉ねぎのスープ、本当に毎年食べるのが待ち遠しい。美味しい。
ニンニクパン粉を
スープにも
リゾットにも時々かけて味変。美味い!やめられない、止まらない、ニンニクパン粉。