幸せなプレゼント

 昨日、クタクタになって我が家に帰宅したら茶色の大きめの封筒に入った郵便物が届いていた。差出人を見なくてもその文字で誰からの郵便物かすぐわかった。その字を見たら疲れがどこかへ行ってしまった。
 今から10年くらい前。ブログなんてものはなくてみんな「掲示板」を設置してそこがインターネットの世界の主な交流の場だった。あちこちの掲示板を渡り歩いているうちに別の板でも知ってる人に会うと仮想空間での「友だち」になったりすることも良くあって、そこで木版画の作家として出会ったのが「眞流(まる)」さんだった。今はなくなってしまったけどその頃は「眞流」さんもホームページを持っていたので掲示板から流れて眞流さんのサイトで木版画の作品を見ていたらどうしても欲しくなってしまった作品があってメールを書いて譲っていただいた。ずっとモニタ越しに見ていた作品が「モノ」として僕の手の中に届いただけでとても幸せを感じたものだ。だけど木版画だけではなく作品にとてもあった手作りの額縁も送られてきた。(僕の払った金額なんてこの額縁にさえ届かない)さらに台紙も5色同封されていた。展示する壁との相性で一番良いものを選んでください、ということなんだろう。なんて細やかな配慮。作品にもその配慮にも感激した。
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 その作品は今でも僕の宝物のひとつで玄関を入った正面の壁に眞流さんの素敵な額縁に入ってお客様を迎えていただいている。「鳥旅」と題されたこの木版画に、飛躍したいのに飛躍できなくて腐りそうになる度に今でも励ましてもらっている。
 ネットではその後も時々やりとりして我が家が完成したときもビールを贈っていただいて感激したんだけど、あるときから年賀状も戻ってきてしまうようになり音信が途絶えていた。
 だけど今年。眞流さんから今までと違う住所から年賀状が届いた。しかも結婚されたとのこと。やった。数年ぶりに返事を書ける喜びを感じつつ小さな自作の石の花器をお祝いに贈ったんだけど。
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 そのお礼になのだろう。昨日、届いた包みを開けてみると眞流さんが彫った木のスプーンが出てきた。手紙を読むと「幸せすくうお匙です」うわーん。嬉しい。幸せすくってる、すくってる。
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 一目見て眞流さんの文字だとわかる字で書かれた素敵なタグ。泣けるゼ。
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 さらに!ご結婚された旦那様の水彩画まで同封されていた。なにこの幸せ。眞流さんとこの愛犬アスパラと我が家の愛犬 小春が夜空の中で出会った水彩画。旦那様は水彩画家で木管楽器修理師それ以外にも色々作る僕らと同じモノツクリな方のようです。僕らも我が家を作るときにいろいろ考えたけど結局、断念せざるを得なかった薪ストーブを導入した物語は羨ましくて(当たり前ですが)素敵な絵で面白いです。(こちら
 いつの日かアスパラはもちろんお二人に会える日を楽しみにしてます。。。
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 今まで眞流さんの版画を飾っていた壁の対面に志郎さんの作品も額に入れて飾りました。我が家に遊びに来たら皆さん見てくださいね。