ぼくらは闘牛小学生!

 ベコ飼いのお友達の3冊目の本はノンフィクション。
ぼくらは闘牛小学生!
読みました。
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 全国で闘牛が行われているのは現在、6県だけだそうだ。そのうちのひとつ、新潟県の小千谷市の闘牛の話。闘牛はそれだけでも珍しいのにここでは小学生が牛太郎と名付けられた闘牛の世話をし1トンもある牛を引闘牛場まで引いて出場している!
 2004年10月23日新潟県中越大震災でこの地域は壊滅的な被害を受けた。避難を余儀なくされ牛を飼っていた牛持ちの中には野草を食べて生き延びられるようにと綱を離して避難した人も。規制のかかった道路を止める警察官とやりあいながら餌や水をやりに行こうとする牛持ち。「自分の家族を置いてくるばかが、どこにいる!」
 大震災で闘牛どころではなくなったけれど小千谷市の人々の心のよりどころだった闘牛を仮設の闘牛場を作って再開しその後、元の場所に闘牛場を再建。今では全国的に有名になって4千人ものお客さんが来ることもあるという。
 子供の目線にたった優しい文章の物語を楽しく読んだのはもちろんだけど、個人的に「おわりに」を読んで心に迫るものがあった。この本の出版の準備をしている時に僕らの住んでいる東北は大地震に襲われた。水も電気もガソリンも無く作者の家でも飼っている牛の餌も手に入らず大変な思いをしたのを聞いている。ほんの少し普通の生活に戻った時に校正のため自分の書いた文章を再び読まれたそうだ。同じように地震から復興を遂げた小千谷地区の人々の物語を読むことでどれだけ勇気づけられたかは想像に難くない。自分で作った「作品」に自分が勇気づけられたり励まされたりするのはとても幸せなことだろうと思う。でも「作品」てそういう力がある。きっと出来上がった時点で、自分のものだけど自分のものだけではなくなってるんだな。
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 もちろん今回も作者であるお友達にサインをしていただきました!
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 毎回サインしてもらってこれでサイン3冊になった・嬉。このブログを書くために「チョコレートと青い空」を再読してまたグッと来てる。
 先日、新潟の小千谷を作者が再び訪れた時のことがブログにアップされています。みんなに温かく迎えられた様子が伝わってきてなんか嬉しい。地元の人達に「わたしたちの本」と言ってくれたと書かれています。やっぱり「自分のものだけど自分のものだけではなくなってるんだな。」
※処女作の「牛太郎、ぼくもやったるぜ!」で登場する牛の名前が牛太郎なのは小千谷の牛太郎の事を知っていて付けたのだと思っていたら、全くの偶然の一致だったのだそうです。どこかでもう縁が繋がっていて小千谷の闘牛を書く運命だったとしか思えません・笑
チョコレートと青い空(stone::tamaki)
牛太郎、ぼくもやったるぜ!(stone::tamaki)