川島隆太教授と矢ヶ崎克馬教授

 川島隆太教授が子供の健康を心配する母親を攻撃していて見ていられない。被曝させられ、ただでさえ負担の多い生活を強いられているのに氏の言葉で傷つけられているお母さんたちが僕の周りにもたくさんいる。氏は事あるごとに放射能による健康被害よりタバコの方が危険と言っている。

現在のレベルの放射能を1カ月間浴び続けるよりも、たばこを 一箱吸う方が皆さんの寿命を縮めます。

僕らは望まないのに暴力的に無理矢理被曝させられた。その事と自分の意志で吸うタバコの害を同じ土俵で論じている時点で最低。まして子供がタバコを吸うか。それにタバコに害があるからやめると言えば健康被害は止められる。それなら放射線物質があるのが嫌だと言ったら無くなるまで除染してくれるのか。放射性物質はそこにあり続ける。セシウムは30年たっても半分にしかならない。
そんなに心配なら被曝する可能性のある飛行機に乗るなとも氏は言うがここでも数時間で降りる飛行機と汚染された地で放射腺を浴び続けさせられる現実を比べる。悪意があるとしか思えない。
 最近は宮城県各地で講演会を行い、子どもの未来を真剣に心配する親に向かってこんな言葉を投げつけている。

子どもを被曝から守ろうとする親の過剰な行動(マスクの常時着用、外での運動をさせない、給食を食べさせない)は子どもの認知発達に確実に悪影響を与える。

 つまり、今まで通りにしないと子どもに悪影響があると学者という立場で「脅し」をかけている。「異常」な状況で今まで通り「普通」の生活をしろと。意見が違ってもいい。それは当たり前のこと。だけど意見の違う人に脅しをかける事は無い。
 各地の給食から基準を超える放射線量が測定されているのは報道されているところ。(しかもその基準たるや世界の基準から比べたら何でもOKという異常なレベル)それでも給食を食べさせないと認知発達に悪影響があると。放射線で健康を害しようとも健やかな認知発達のために汚染されている可能性があっても食べろと。それはそうだろう、氏は地元の新聞で原発事故後こう語っている。

個人的な話をすると、茨城や福島でホウレンソウ、牛乳から放射能が検出されたと報道 されています。ここ仙台では生鮮食品がとても入手しにくく、捨てるのであればぜひわけ ていただきたいです。私は50歳をすぎましたが、これらのホウレンソウをばくばく食べ 、牛乳をごくごく飲んでも、私の寿命に影響がないことを知っていますので。

 50歳を過ぎた氏が放射性物質で汚染されたものでも、ばくばく食べて、ごくごく飲もうと何も文句は無い。好きにしてくださいと言うだけだ。だけど被曝地の親に向かってあなた方も食べなさい、子どもにも食べさせなさい(さもないと認知発達に悪影響がある)とまで言うなら話は別だ。チェルノブイリ事故の後(屈強な大人も含めて)多くの子供たちが健康を損ない、死に至り、健康被害を抱えて生まれてきた事を伝える動画、記事、資料はインターネト上に膨大に存在するが、その全てを無いことにするのだろうか。無視することができるのだろうか。自分と違う考えの情報は必要ないから見ないというのが学者という立場なのか。
 川島隆太氏は脳トレで全国的に有名だけど、母親を攻撃しているのを見ると脳トレだけやって心をおざなりにしたのではと疑いたくなる。しかも専門は放射能では無く脳科学だ。放射線防護の知識に関しては専門家と自称しているが。そしてこれからも宮城県での講演会の予定が目白押しだ。人類史上誰も経験したことがない事態が進行している中で「安全」と「気を付けたほうが良い」という両方の意見を広めずに一方的な考えで講演会を開いていくところに宮城県の姿勢も透けて見える。
 最後に琉球大学名誉教授の矢ヶ崎克馬教授の話を掲載しておきます。矢ヶ崎氏は原爆症認定集団訴訟で内部被曝について証言を行った。自称ではなくて長年、内部被曝を研究して来られた専門家。科学を攻撃の道具にする人もいれば人間のために使う人もいる。

「汚染されたホウレンソウを一年分食べても平気です。」
等という蛮勇は、無知であり人間を大切にする思想に欠けたものです。
正しい知識を持ち、勇気を持って、賢く人間愛に基づく判断を致しましょう。
ガンマ線発射の放射性放射体が測定されたら、
その背後にはたくさんのアルファ線放射体やベータ線放射体が一緒にいます。
政府発表は「X線検診の被曝量と比較して・・」と言いますが、
医療では被曝させるけれども被曝する危険以上の医療的メリットがあるという目的を持った被曝です。
それだけに被曝限度も大きく設定されているものです。
このようなメリットを伴う被曝と迷惑千万な受動被曝を比較すること自体が、
まさに不遜な行為ではありませんか?
飛行機に乗った時の被曝といえば宇宙線による被曝です。
日常受ける被曝には様々な原因がありますが宇宙線がかなり寄与しています。
宇宙から飛んでくる放射線は透過力が高いものです。
透過力が高いということは物質(身体)との相互作用が少ないということです。
放射線が身体を突き抜けるということは、突き抜けた放射線は相互作用しなかったということです。
内部被曝する場合は相互作用の非常に強い放射線(アルファ線、ベータ線)にも
被曝することになります。比較する土台に共通性のない比較です。

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