台所の金床

 金床という鍛冶仕事や金属を叩いたりする時の台に使う道具がある。我が家では木槌と共に台所に置いてある。台所には不似合いな金床を置いてあるのはカミさんも僕も焼いた銀杏に目がないから。茶封筒に銀杏を入れて口を3回巻いてレンジにかけてしばらく待つと、大きな音で爆発が始まる。銀杏の固い殻が割れる音。封筒に入れた数だけ数えたら食べられる。お手軽。だけど鉄のフライパンで炒ったものとは美味しさが雲泥の差なので、手間でも金床で殻にヒビを入れてから炒る。固い殻の中で適度に湿気が残り、香ばしくもしっとりして透き通った緑色が宝石のような銀杏が焼き上がる。岩塩を振ったらもう最高なんである。
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 今まで、金床はこの時期だけ台所に登場していたけど、原発事故後は梅干しの種を割って仁を食べているので一年中置かれるようになった。