食べて応援

 毎週、宅配をお願いしていた有機農法の農家の方が、東電を訴えるという。応援の資料が欲しいというので文章を書いて捺印して渡した。原発事故が起こるまでは毎週、その方から届けられるものを楽しみにしていた。受け取るときの玄関先での何気ない会話が今はもう無い。原発事故以来、食べるものに当たり前の注意を払わざるを得なくなったから。
 原発推進なこの国がお金をかけて実施している「食べて応援」を僕は応援出来ない。とはいえお百姓さんたちに罪はない。食べて応援は出来ないけど、僕に出来る応援ならしたいと思っている。放射能があるという当たり前の前提を共有出来るなら心から協力したいと思っている。だから書いた。

 それにしても「食べて応援」という、原発事故で撒き散らされた放射能を、まるでなかったかのように無視したひどいキャッチコピーを考えたのは誰だろう。放射能の事なんて全く頭になかった人間か、逆に放射能の事を知っていたからこそなのか。電通が企画していたという時点で察しはつくけど、このコピーの元では、何でも無条件に食べない人間は東北の復興を願っていない者のように扱われる。せめて頭に「放射能を測ってOKなものを」くらい付けてくれればいいのに。付ける訳無いか。

電通の戦略十訓
1.もっと使わせろ
2.捨てさせろ
3.無駄使いさせろ
4.季節を忘れさせろ
5.贈り物をさせろ
6.組み合わせで買わせろ
7.きっかけを投じろ
8.流行遅れにさせろ
9.気安く買わせろ
10.混乱をつくりだせ

※世界が輸入禁止にしている日本の食品