⻘野⽂昭 個展

せんだいメディアテークで「⻘野⽂昭 ものの, ねむり, 越路⼭, こえ」を見た。

「なおす」ことを主題に、家具や日用品 などを用いながら廃棄物の欠損箇所を補完することで、新たな形態を生みだしている美術作家 青野文昭。長く仙台で活動してきた青野のこれまでの作品とともに、震災以後の表現の変化もふまえた、新たな展望を紹介します。(公式サイトより)

 

 

 

 

 

 

 

 

※写真撮影は許可されています

以下、公式サイト開催概要より。

本展は仙台市在住の美術作家、青野文昭の初期作品から最新作までを紹介するものです。宮城教育大学大学院に学んだ青野は、1996年から「なおす」を主題に一貫した表現活動をおこなってきました。この「なおす」こととは、壊れたモノを再び使えるように修理することではなく、時を経たモノの履歴を物語のように紡ぎだすことです。青野は、使い込まれた家具の使用痕跡や、浜辺の漂流物の欠損箇所などからイメージをふくらませ、全体像を想像で復元したり、異なる種類のモノと接合してみせることで、道具としてではないモノのかたちを照らし、そこに宿った人の念を引き出してきました。

 この展覧会では、荒浜や作並など仙台の各地、岩手県宮古市の鍬ヶ崎、あるいは東京の吉祥寺や沖縄など、さまざま場所のモノから紡いだ物語を集合させ、せんだいメディアテークの1000平米の6階ギャラリー全体を作品化します。そのなかに、青野の生誕地である仙台の八木山が、過去から続く死者の空間「越路山」としてあらわされます。越路山は、本展の帰結点であり、展示されるすべての物語の出発点でもあります。

 東日本大震災の記憶とともに仙台や東北の現在をみつめてきた青野が、いくつもの「なおす」行為として示す、想起の技法をご確認ください。