うしごろし

山の人を訪ねて「牛殺し」を譲ってもらう。
 うしごろし、というのは木の名前。正式な名称かどうかは知らないし確かに固くて重い木だけど牛を殺せるほどの木かはわからない・笑 でも、石の職人の世界では昔から当たり前の木だ。石頭(”せっとう”いわゆるトンカチの親分)の柄に使う。
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 大工さんが良く使うのは樫の木の柄だけど樫の木は固くて良いけど折れる時は一発。10数kgもある石頭が折れて飛んで行ったらかなり危険。その点、うしごろしは固いだけではなくてねばりもある。折れそうな時は、その前にヒビが入ったりして徴候が出てわかる。まして一発で折れてしまうなんてことにはならない。
 ただ、道具屋でも手に入らなくなっている。山にはあるけれど採る人がいないからだろう。雑木林というのは手入れをしてないから勝手に雑木になっているわけではなくて、日本の美しい雑木の森は昔から下刈りをしたり枝を払ったりして人が手を入れて守ってきたものなんだけど、今の時代、山は全く金にならず山の衆は本当に大変そうだ。