このキュウリは何を語る

 宮城県南部のある畑で収穫されたキュウリの写真です。
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 実から茎が伸びその先に葉が生えています。原発事故で大地を放射能で汚されるまでは我が家でも家庭菜園をやっていた。キュウリは素人にも比較的簡単で夏になれば毎朝、毎昼に一生懸命収穫しないと、成長が早いのであっという間にへちまのようになったキュウリがあっちでもこっちでもブランブランすることになる。20年近く、たくさんのキュウリを収穫したけど、こんな形のキュウリにお目にかかったことは、無い。実物を見せてもらったけどちょっとショックだった。
 素人考えだと、これほどの変形は遺伝子レベルで何かあったとしか思えない。
 放射能は銃のように放射線を放ち遺伝子を切る。1ベクレルというのは1 秒間に1つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能の量。原発から今年の春までの食品の放射性セシウムの規制値は500Bq(ベクレル)/kg だった。500Bqの放射性セシウムを含むものを100グラム食べたら1秒間に50発の放射線を浴びる、という計算だ。(もちろん放射は1秒で終わるわけではなく放射性物質のエネルギーが残っている間はずっと)
 放射線の先に自分がいる時だけ被曝する外部被曝と違って、食べたり吸ったりして内部に取り込んだなら、体内にある間中浴びることになる。食道を移動している間中も浴びることになる。しかも全てが排泄されるわけではなく骨や筋肉になるものもある。
 遺伝子は教科書に載っていたけど二重のらせん状になっている。二重になっている、というところがすごい仕組みで万が一、DNAのどこかが切れたり損傷を受けても、二重になっているから対になっている相手によって損傷したものが何だったがわかり修復される、という。簡単に言うと凸の形と組みになっていた形として相棒だった凹を修復できる。なんてすごい仕組み。
 体内に取り込んだ放射性物質が銃のように放射線を放っても、二重らせんの片方だけを切った時は修復できる。問題は2本を一度に切られた時だ。相手の形を類推する事もできず間違った修復が行なわれてしまう。これがガンなどの病気になることが知られている。
 成長期の子供は細胞分裂を盛んに繰り返して成長している。子供が放射能の感受性が高いと言われているのはそのせいだ。
 キュウリも野菜も動物も子供も大人もお年寄りもDNAを持っている。
 このキュウリは何を物語っている?
 農業のプロの方は、こんな形のキュウリも普通に目にしていたりするのだろうか。
 何かご存じの方がいたら教えていただきたいのです。