ディン・Q・レ展

「ディン・Q・レ展:明日への記憶」を森美術館で見た。

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高層ビルの最上階て美術館賞に未だに馴染めないけど、最近、森美術館で作品展見る機会が多い。

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今回の展示も見応えがあった。

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ベトナム戦争に焦点を当てたベトナム人アーティストによる展覧会。

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会場には実物大のヘリコプターも。

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このヘリコプターは暮らしに役立てるためにベトナム人が手作りで完成させてヘリコプター。窓の向こうに映写している作品が見える。ヘリコプターの戦争とも言われたベトナム戦争の映像とインタビューによる映像作品。

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今回の展示は他にも映像作品が何点かあってどれも見応えがあるので、これから行こうという方は時間に余裕を持って行かれることをオススメ。

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アメリカで学んだディン・Q・レの学生時代のポスターの作品。

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アメリカ軍の撒いた枯葉剤による奇形の子がモチーフ。

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「抹消」という作品。暗い部屋の中に今にも波に飲まれそうな木の船。壁には波風に翻弄される船の映像。海は無数に敷き詰められた古い写真。

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鑑賞者はそこから写真を選び、観賞用の木の通り道の途中にある木箱に入れていく。それを係の方がスキャンしてアーカイブしていく。

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こちらのこの作品の公式サイト「ERASURE」でそのアーカイブされた写真が見られる。(タイトルクリックして”Archive”から)

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表現手法は様々。戦時下で戦争の様子や人々を「描く」という任務もあって画家たちがその任についた。いろんな画家のインタビューの映像の横では実際のスケッチが壁に飾られている。

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映像の中で、戦地に行った画家が「戦時下においては私は戦士であり、画家であった」と普通に語っていた。
原発事故の後、この国の権力者の欺瞞と嘘と奢りや原発被害者、原爆被害者の棄民、アメリカの家畜になりたがるかのような法案の無理強いの中で、個人的に生きてきた僕も、原発反対、戦争反対の声をあげるようになった。自分の「表現」だけ追求するのはあまりにも自分勝手ではないか?と感じたし、当事者にされてしまった者には「黙らない」責任もあるのではとも感じたから。

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それに原発事故の後のこの国は「平時」ではない。僕も、社会的なことも自分の表現も両方を淡々とやればいいんだ、って勇気をもらった。

(写真は無断撮影ではありません。ほとんどの撮影が許可されています)