N・S・ハルシャ展

森美術館で「N・S・ハルシャ展」を見た。

インドの現代美術家。

こんな作品があった。床に上を見上げる人々がびっしり描かれていて天井には鏡。

靴を脱いで中に入って見上げると大勢の人と共に自分も空を見上げることになる。

「空を見上げる」という作品。

「ネイションズ(国家)」

無数のミシンが糸で絡められている。床には裂けた国旗。

《ネイションズ(国家)》は、さまざまな言語や民族、宗教が共存するインドで、「国家」が意味するところを問う作品です。N・S・ハルシャは、町の雑貨屋で売られている子供用の本を参考に、国際連合の加盟国193の国旗を布に描き、同じ台数の足踏みミシンと組み合わせたインスタレーションを制作し、これまでロンドンをはじめ世界各地で展示してきました。インド独立の父と呼ばれるマハトマ・ガンジーは、独立への意識を高めるために国産品(スワデシ)を奨励し、その象徴として手紡ぎ、手織りの生地カディを推奨しました。それに対して、足踏みミシンと国旗が複雑に絡み合ったインスタレーション《ネイションズ(国家)》は、産業化が進んだ今日、政治的にも経済的にも国同士が複雑に関連しあうグローバル化した世界を象徴しているようにも見えます。

作家が暮らす南インドの伝統的な食事「ミールス」の食品サンプルが並ぶインスタレーション「レフトオーバーズ(残り物)」バナナの葉に乗っている。

各地でその土地の子どもたちと数々のワークショップを行ってきたという作家が今回の個展に際し、森美術館近隣の小学校の生徒と一緒に行われた「どんな大人になりたいか」を想像してワイシャツに描くというワークショップ。小学生が何人か見に来ていたのは自分が描いたこれを見に来ていたのかな?

作品展の最後を飾る巨大な作品。一筆書きで描かれた筆跡のような宇宙のような作品。

→公式サイト:森美術館「N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅」

作品展の写真撮影は許可されています。写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。