畑仕事の師匠

 今の家に越してくる前の15年間を過ごした借家の隣家のおじいさんとおばあさんが僕の畑仕事の師匠だった。鍬の持ち方から始まってネギを植え替える時期、そして蔵王おろしの冷たい風に当たらないよう南北に畝を切ったら蔵王と反対側に一皮むきながら並べて行くこと、白菜の種まきは良く耕した畑に一升瓶を立ててスタンプのように少し押して出来たくぼみに蒔きビンをそのまま倒したらビンの端に次の丸を押して行けば白菜にちょうど良い間隔と深さで蒔ける。乾燥しがちだったら発芽までは新聞紙をかける。トウモロコシは溝を切って2〜3粒蒔いたら長靴のかかとでしっかりと踏み次の種は足をそのままにして、つま先に蒔くことを繰り返すとちょうど1尺間隔くらいに蒔ける。トマトの1本立ちや野菜の間引きなどなど思い返しても今、僕が知っている畑仕事のほとんどはおじいさんとおばあさんに習ったものだ。畑仕事だけではなくて都会から引っ越してきていきなり田舎暮らしを始めて、”しきたり”とかわからなくておろおろした時、聞きに行くといつも笑顔で教えてくれた。
 お世話になったそのおじいさんが先日、亡くなった。今日、お線香を上げさせてもらいに行った。なんだかとても残念。合掌。でも、おばあさんは相変わらず元気で少し安心した。
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 15年前に我家の畑を耕耘機で耕してくれているおじいさんと、一輪車を押して手伝っている(気になっている・笑)お孫さん。かわいい。といっても今や車も運転する二十歳前の青年だ。そりゃ僕ら年取るわな。
 もうおじいさんには耕耘機で耕してもらえなくなってしまったけど今でも庭の小さな畑はやってます。今度わからないことがあったらおばあさんに教えてもらおう。