田中優さんの講演会

 「田中優&まーちゃん★ハッピーツアー♪しばた」というイベントが隣町であった。田中優さんの話はYouTubeでもいくつか見られます。(例えばこれ
「原発から80キロ圏内に暮らす私たちのいま・みらい」
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 スタッフとして朝から会場入り。スタッフと言ったって僕が出来ることは椅子や机を運ぶことくらい。だけど。このイベントは最初たったひとりの女性が「やろう」と考えて始めたイベント。えらいなぁ。手伝えることがあるならやろうと思った。
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 原発の問題が深刻さを増す中で手を繋ぐようになった地元の仲間が何人もいるのだけど、そのうちのひとり人形劇場をやっているてんたさんは子供のことを考えて必死に講演を聞きに来るお母さんのため、託児所にする部屋に木を中心とした素敵なオモチャを運び込んでいた。てんたさんはNPO法人 日本グッド・トイ委員会のメンバーでもある。
 このおもちゃだってきっとみんなの予想を裏切る動きをするよ。

 素敵。もっと面白いものもたくさんあったんだけど撮影に失敗してました。みたい人はてんたさんの公演で是非。
 原発関係の動画はほとんど見て勉強しているので田中優さんの各地での講演ももちろん見ているけど今日、ノートに新たに書き留めたこと。
・放射線を恐がりすぎない。恐がらなさすぎない。
・原発が建つ地域の人たちはお人好しが多い。
 (僕には原発でねじ曲げられた人生の怒りは我慢できないと表明しておきますが)
・飲料水を全てミネラルウォーターに頼ると家計が大変だから家庭でできる自衛の方法
・放射能は無くならないのだから免疫力を高める(具体例もいくつか)
・今、安心できる海産物
 フランスが奨励している話。内部被曝を極力避けるためには食品は放射線値を明記したものを買うこと。明記されていないなら産地で選べ。ホットスポットを測れば市町村単位の地域ごとに放射線で、汚染されているものと汚染されていないものを分けられるのに、残念ながら日本は県単位で表示することになっているので、十把一絡げに県単位で選ぶことになる。そのために安全な農産物も県内の他の地域で駄目なら都道府県の産地表示ならアウト。必然的に買っても良い県はしぼられる) 当たり前の話だと思う。
 講演で田中さんが「駅からここに車で来るまで竹を見ていたんです。竹は放射線があると飴色に変わるんです。竹は青々としてたからここは大丈夫ですね」と話していたので講演終了後に思わず話をしに行く。僕の住んでいる所では今年、竹の子の出来が悪く山の衆から例年ならもらえる竹の子をもらえない人が多かった。それだけではなくて例年なら竹の子がとれた後に黄色く枯れていく竹が「竹の子が出る前からどんどん黄色く枯れていくんだよ。。。」と言う話をたくさん聞いたし事実、多くの竹が原発の爆発の後、飴色になったのをあちこちで確認した。何事かと思っていた。「あ。ここにも影響あったんですね。。。」と田中さん。
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 講演会の後、田中さんとスタッフで少し懇談。講演会は宣伝しすぎて会場には入れない人が出るのを心配して直前は宣伝を控えたのに200人くらいの方々が来場された。
 山形へ向かう田中さんとまーちゃん一行をお見送りした後スタッフや原発の問題に危機感を感じている人たちが残って話し合いをした。
 今ここにある放射線が目に見えないために「ある」という前提で話をするだけで思わぬ軋轢や反感を買うこともあるのが悲しいけど今の現状。
 例えば、僕の住んでいる所の話ではないけど0.8μSv/hを超える保育園もある地域のお母さんが学校に、子供を放射線から守る対策をして欲しいといっただけで、男の議員がふたり「それじゃあ、まるでここが放射線で汚染されているみたいじゃないか。」と言いに夜、自宅までやって来たという。0.8って幼い子供にとって致命的に汚染されている数字だ。議員は税金で何のために働いているのだ?
 だから放射性物質がある事を前提に話が出来るという当たり前の事が、まず嬉しかった。仙南と呼ばれる宮城県の南部の市町村で原発の問題に対してに今までやって来たことを報告し、現状を確認し、これからは今までのようにばらばらではなく手をたずさえ協力して仙南地域として宮城県や福島県とも協力して行動していこうという事になった。仙南の川崎町からだけは残念ながら参加がなかったけれど、それ以外の仙南の各地で行動している方々と出会えて良かった。放射線がある、という当たり前の事を時々こうやってみんなに会って実感しないと、国とテレビが宣伝する安全デマに負けそうになる。大手の新聞は戦後を反省したとか言っていたのに大本営発表を官報のように流し続けている。残念ながら本当の情報はそこにはない。
 当たり前に放射線を恐がり、当たり前に立ち向かい、当たり前の生活を取り戻そうと思っている宮城県南部に暮らしている方々、福島の方と当たり前に話が出来て、繋がる事ができて良かった。未来へ!
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 最近、人が集まるとお決まりのガイガーカウンターの数値合わせ。

 別の勉強会でも一緒になった七ヶ宿町で炭焼をされている方が同じガイガーカウンターを持っていたのでそれとも数値合わせをやってみる。
 名残惜しくて、てんたさんに我が家の夕食に付き合ってもらって話す。
 原発事故は人生に必要のないことだったけど、残念ながらこんな事になってしまった今、唯一の救いは価値観を共有出来る人たちと新たに出会っていること。こんな時だからこそ気持ちや価値観を共有出来る人と出会えるのは救い。今年の年頭の目標の書き初めに「会」と書いたときは、こんな事になって多くの方々と会うことになろうとは夢にも思っていなかったけどね。
 あ、そうそう、最近原発関係のエントリーばかりだけど、放射能とどう向き合うかはもう生き方の問題。親しい方が近い将来ガンや病気になるのを見たくないから「これだけは気をつけて」と1回は話するけど、放射能の話がいらない人には二度としないからご心配なく。