神戸の彫刻

 神戸市は日本で最もパブリック・アートの設置数が最も多いところ。神戸市内全体で400弱はあるだろうか。写真だけで知っていて見てみたいと思っていた彫刻の直ぐそばにいるのに、このまま帰れない。朝食後、午後の新幹線まで「野外彫刻ひとりで勝手に観て回るツアー」を決行。地図を片手にひたすら歩いた。どうしても見たい作品を見逃したくなくてコンビニで水を買う事も忘れ6時間歩き続けて久しぶりに足に豆が出来て潰れた。楽しかった。
 一度にたくさん見ることで野外彫刻が街に当たり前の様にある事はどういう事なのか、街に合う作品、大きさ、意義を感じることが出来た。全部ではないけれど僕が今日見てきた彫刻(+α)の一部をお裾分け。興味のある方はどうぞ。(続きを読む “神戸の彫刻” »をクリックすると野外彫刻の写真がたくさん現れます)
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 写真はみなと異人館(現在は閉鎖)
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野外彫刻番外編:鉄人28号


 コメント少なめでどんどん写真を並べていきます。
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環境造形Q:アンドロメダへのメッセージ
 広い屋外の空間に大きいとはいえこれだけの石で拮抗していて良かった。上を少し削って磨く、石に手を加えたのはこれだけでほとんどは自然の肌が残っている。だけどそのバランスと石の配置で自然と手技と空間がマッチしていて今回見た中でもすごく気に入った。
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環境造形Q:アンドロメダへのメッセージ
 磨き部分と自然の肌のせめぎあう部分。
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環境造形Q:イルカの噴水
 今回たくさん見た野外彫刻は池や噴水を想定して作られているものが少なくなかったけど節電の影響か全ての噴水はとまり水も抜かれている所がほとんどだった。もしくは季節のせいか?この作品も噴水も水も無かった。(お陰でシステムがみられた)
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 定礎の石も大きく贅沢に使われている(けどトイレにちょうどいいらしく犬のおしっこだらけだ・苦笑)この橋も歩いて渡った。揺れた!
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野外彫刻番外編:鉄人28号
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野外彫刻番外編:ハイヒール
 赤い大きなハイヒールのあるここ長田は「くつのまち」なのだそうだ、そういえば阪神淡路大震災のドキュメントでその復興の物語を見た。
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神戸ハーバーランド庁舎
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 無人運転の六甲ライナーの先頭から海岸方面を眺める。
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 俗にキリンとよばれるコンテナを船に乗せたり降ろしたりするためのでかいクレーンが神戸の港には無数に建っている。1基1億はするという話を聞いた。僕が海外の石を買った時もキリンにお世話になっていたはず。最初にキリンと呼んだ人、センスある。
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栄利秋:作品92・落日、あるいは挽歌
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 寒い曇りの天気予報だったのにこの天気。野外彫刻が映える青空。効果的な写真に撮らせてくれる雲もスタンバイOK。太陽の神様ありがとうございます。
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エミリオ・グレコ:大きな浴女No,2
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船越 保武:渚
 グレコや舟越保武といった彫刻界では有名な作家の作品も、ほったらかし感が漂う。海岸線の潮風の環境にブロンズ彫刻を放ったらかしではきついのでは。その点石は特にメンテをしなくてもいいけどブロンズは3ヶ月に1回くらいはメンテが必要。もしくはブロンズは潮風の影響の少ないところに設置。
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 歩いている途中に幼稚園かなんか?の敷地内に見えた海の怪獣のような石の彫刻。地面を界面に見立ててベンチを兼ねた作りになっている。関係者以外立ち入り禁止の看板があって写真を撮りに入れなかった。神戸は学校が舞台になった悲しい事件があった影響からか学校という学校の門や塀には関係者以外立入禁止の文字や監視カメラが設置されていた。
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小林照尚:子供の領分:ふわふわ
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寺田武弘:開かれた億万年
 石を彫っている人は、削岩機でこの繊細な形を作るために何本の穴を開けたのかと思うでしょう・笑
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林宏:春
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兎の顔の部分のクローズアップ。良い顔。この人の石の彫刻好き。
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一色邦彦:瑶韻
 やっぱり潮風の影響の中メンテしてない感が強くてちょっと残念。仙台の街中に設置されている一色邦彦さんの作品は今もきれいな色のままだ。
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東北は不滅 活力を神戸から
というのぼりが何枚もはためいていた。六甲アイランドのアイランドセンター駅周辺。リバーモール。
一瞬自分がどこにいるのか錯覚した。で、神戸にいるんだけど応援ののぼりがこんなに掲げられている事を改めて確認した。大地震という未曾有の災害の痛みを知る人々からのエール。噛み締めました。
   神戸のみなさん、ありがとうございます。
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西巻一彦:宿借り(通勤圏)
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地球の芽
 素晴らしい形、美しい色。台座の六方石との相性、設置場所と今回見た作品の中でも気に入ったもののひとつなのだけどプレートが傷んでいて作者名がよくわかりませんでした。見える範囲で記しておくとMe◯◯SODA,Shigehicoか?
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速水史朗:太陽の門
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番外編:神戸市の消火栓
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河崎良行:光と空間のハ-モニ-
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鹿田淳史:デュエット
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高嶋文彦:街角の詩
 白い大理石の写真を撮るには天気が良すぎて白飛びしてしまい調整も至難。風船を持った少女とそれを見ている猫。
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井下俊作:空の水族館
 住んだ青空をバックにステンレスの魚が動き、泳いでいた。
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山本信:吟遊詩人のセレナ-ド
 タイルの質感いい。タイルと言えばガウディのスペインのグエル公園のタイルを思い出す。
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佐藤忠良:牧神
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佐藤忠良:人魚
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アントワ-ヌ・ブ-ルデル:高貴な重荷
 大学の時、今回と同じようにほとんど飲まず食わずでヨーローッパの彫刻を一人で見て回った時、あまり好きではなかったブールデルの彫刻に心を奪われたことを思い出した。硬いパンをポケットに突っ込んで彫刻を見て回った時と、今彫刻を見て歩き回っている時の気持ちは一緒だ。きっと。
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 大きな石を組み合わせた舞台のようなものが建っていた。動かしてはいなかったけど噴水も設置されているようだ。
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田中昇:木洩日I
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松本 薫:Cycle-90°R
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阿部誠一:女の子・2人
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内田晴之:異・空間-INTER-SECTION89-1
 これも実物を見て構造を知りたかった。見て解決した・嬉
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中岡慎太郎:MY FAMILY
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 作家独自の加工法のクローズアップ。見たかった作品のうちのひとつ。作品を。技法を。
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河合隆三:海からのメッセ-ジ
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河合隆三:海へのメッセ-ジ
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早川収:とおせんぼ
 そんなにかわいい君なら通せんぼも許す!
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 小磯記念美術館。
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 小磯良平は若い頃好きな画家だった。とにかくうまい。
 移築された家の中のアトリエも完全に復元されて入室や撮影はできないけど見られるようになっていた。今、ふらっと小磯良平が入ってきて絵を描きそうな錯覚に襲われる。人の仕事場や仕事の様子を見るのは本当に楽しい。
 開催されていた特別展「藤島武二と新製作初期会員たち」の中では荻須高徳が圧倒的に良かった。この人のパリの街の絵が好きだ。
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番外編:神戸市の消火栓2
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新谷澤子:MAN(左)、WOMAN(右)
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新谷英夫:みどりの泉”憩い”
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Evert Den Hartog:Marbling Kids
 ふたりの子供が遊んでいるビー玉はオランダから最初に神戸に伝えられたものなのだそう。
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環境造形Q:メリケンシアター
 絶対見たかった作品ふたつのうちひとつめ。
 石を繰り抜いた空間をスクリーンに見立てて上部を少し削って磨いた石を座席に見立てている。
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環境造形Q:メリケンシアター
 座席に見立てた石には往年の映画スターの名前と出生年が彫ってあった。マリリン・モンローはハートのような形の石に刻まれていたけどハートの形に見えた石があった時点で3人の作家の誰かがもしくは全員が「これ、マリリン・モンロー用にしよう!」と言ったと思う・笑
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環境造形Q:メリケンシアター
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環境造形Q:メリケンシアター
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流政之:神戸海援隊
 絶対見たかった作品ふたつのうちのふたつめ。
 ニューヨークの世界貿易センターに約250トンの石を運び込んで巨大彫刻「雲の砦」を作った作家。写真でしか見たことがないこのニューヨークの作品をいつか見たいと思っていたけど9.11でビルが崩壊した今、作品は無事だったにも関わらずガレキと共にブルドーザーで押されてしまい叶わぬ夢となってしまった。
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流政之:神戸海援隊
 表面処理を見たかった。作家が「ワレハダ」とよぶそのテクスチャ、しっかり目に焼き付けた。