応援になっていない

 「食べて応援」しない奴は人間じゃない、とか「ガレキを受け入れ」ないのは東北の復興を考えていない奴とか、話のすり替えがすごすぎ。歴史的に見ても一気に感情的になる可能性がある国民に「〜をしないのは人間じゃない」という「嘘」をばらまいて感情に訴えている。感情論にすり替えないで欲しい。
 国が除染をすることに決定したレベルの放射能で汚染された土地で暮らしているのに、1年以上たっても未だ子供たちの通う学校が除染すらされていないのに、その国の首相は消費税を上げたくて必死だ。問題はそこにあるのか?メルトダウンしていたのに「収束宣言」しただけで原発事故を無かったことにしたい野田首相に放射能問題で聞いてみたいことが満載。きっと初歩的な事すら知らないだろう。考えているのは「命」より「金」のことだろうから。野党の時にはあれだけ批判していても与党になれば消費税を上げる事にするというのは官僚の言う通りにします、と言ってるようにしか聞こえない。せめてスローガンの頭に「放射能に汚染されていない」という言葉を付け加えるなら、ずいぶん違うのだけど。
「放射能に汚染されていない」
東北の農産物は食べて応援しよう!
「放射能に汚染されていない」
東北のガレキは受けいれよう!
 日本では感情に訴えてるので「食べて応援」も額面通りに受け止められているかもしれないけど海外からはかなり批判があるようだ。農水省の事業だけど宣伝や専用サイトも全て「電通」のもの。まさか震災だからと言って「電通」が無報酬でやっているということは無いだろう。被災者を救うための数多くのサイトがボランティアで運営されている中、一体いくらもらってるんだか。
 現状は放射能の数値に関しては良くわからない。だけど汚染されていないと言って全国に流通させ人々の胃に落ちた後、放射能に汚染されていましたという例が事実としてどれだけたくさんあったのかは御存知の通り。「放射能に汚染されていない」はいつでも「放射能に汚染されてた」に変わる可能性がある。
要するに今の日本の体制では真実は わ か ら な い の だ 。
12040101.jpg何でも食べる。どんなガレキでも受け入れる。と言えば、一見被災地を助ける気持ちの表れに聞こえるのが罪だ。そうやって被災地に落ちるはずの金を横取りできるだろうけど被災地の本当の復興にならないだけでなく、これだけ多くの人の人生と命を奪っても誰一人捕まらず、それどころか”日本の”警察が税金で警護してくれる豪邸に住んで電気料金の値上げを当然と言う放射能をまき散らした電力会社のやった事を認め応援する事に繋がる行為だ。(画像クリックで”がれき受け入れが東北復興の為になるって思っていませんか?”という漫画のpdfが表示されます。是非一度ご覧ください・http://deigoinsatu.toypark.in/gareki/gareki.html
 モノを動かせばお金がかかる。動かさないで「現地」で何とかすればお金は「現地」に落ちる。放射能もみんなで分かち合おうなんて「絆」は最低だ。低くなってしまった海岸線が延々続いているのにどうして埋め立てにガレキを使わないのかわからない。それほどまでして、どうして放射能汚染が「無い」ところにまでわざわざ持っていきたいのか。
 スイッチを止めたら止まるもので電気を作ろうよ。止めても10万年以上も管理しないといけない装置は人が管理できる装置の域を超えてる。
※関連した記事を追記しています


【2012/04/02:追記】

矢ケ崎克馬名誉教授
(琉球大学名誉教授。内部被曝研究の専門家)
汚染された食べ物は食べないようにするというのが全国民の共通の合い言葉にしなくてはいけない訳なんですけども、これに対して汚染された土地にいる農家の方々は売らないと生きていけない。だから食べて支援しようというようなキャンペーンが張られています。だけど食べる事による支援はやってはならない方法です。


毎日新聞社説
(2012/04/02)
食品の放射能 「見える化」の改善急げ

 食品に含まれる放射性セシウムの新基準が1日から適用された。

 原発事故直後に定められた暫定規制値に比べ、野菜や肉など一般食品は5分の1、水は20分の1、牛乳は4分の1の汚染までしか認められない。粉ミルクや離乳食の基準も新たに定められた。

 新基準に対しては、「必要以上に厳しく被災地の復興を妨げる」と懸念する声もあったが、消費者の納得が得られなければ生産者にとってもマイナスだ。今後は、検査態勢や情報提供の充実に力を尽くすことが政府の役割となる。

 厚生労働省は過去に新基準の半分の値を超えたことのある食品などを重点的に調べるよう指示している。複数の食品が出荷制限を受けたことのある自治体に対しては検体数を増やすことも求めている。

 測定はできるだけ強化してもらいたいが、新基準に対応するには新たな測定器や人手が必要になる。これが用意できずに検査数が減ってしまうようでは本末転倒だ。政府は、自治体に任せきりにせず十分な支援をしてほしい。

 消費者を守るとともに生産者にも気を配りたい。農林水産省は昨年産のコメが新基準を超えた福島県の産地でコメを全量買い上げることを決めた。やむを得ない出費であり、東京電力による賠償を求めたい。

 今後は、食物連鎖による魚介類の汚染の増加も懸念される。監視の網の目を細かくしてすり抜けを防ぐと同時に漁業者の支援も欠かせない。

 食品の放射能測定は生産側だけでなく消費者に近い小売店やスーパーなどで行うことが重要だ。厚労省は昨年度に約1270件の抜き取りの買い上げ調査を行っているが不十分だ。将来の全品調査も視野に、調査対象を広げる必要がある。スーパーなどが独自に行っている測定も支援したい。

 基準が厳しくなっても結果が国民に伝わらなければ意味は半減する。基準をクリアするために努力している生産者のためにも、政府は検査の実態や結果が国民にきちんと伝わるよう努力してほしい。

 農水省の財団「食品流通構造改善促進機構」は震災後、外部のボランティアと協力し食品の放射能検査結果を検索できるデータベースをウェブ上で公開してきた。厚労省の公表資料を編集したものでアクセス数は多かったが、今後はデータ量の増加などへの対応が難しそうだという。

 こうしたデータの「見える化」は、本来、情報が集約される厚労省が行うべきではないか。データの羅列は本当の意味の公表とはいえない。消費者や生産者の視点に立った改善を求めたい。



【2012/04/03:追記】

復興が進まないのは住民エゴか?――「がれき処理=支援」に疑問
(週刊金曜日 野中大樹・編集部、3月23日号)

 環境省を中心として進められている被災地がれきの広域処理。現在のところ東京都、岩手県盛岡市に続いて静岡県島田市の桜井勝郎市長が三月一五日、正式な受け入れを発表したが、広域処理が進まない理由を「NIMBY=Not In My BackYard」つまり受け入れを拒む住民の”身勝手さ”と片付ける風潮に、異論が上がっている。

「ストップ放射能汚染がれき首都圏ネットワーク」は一四日、都庁で会見し、事務局の高瀬幸子さんは「広域処理は真の被災地支援になっているのか」と疑問を投げかけた。「さよなら原発・みなと」事務局長の佐藤れい子さんも「利権構造が原発立地の時と同じ。住民も分断されつつある」と、原発立地の際に受け入れ自治体の住民が分断された歴史になぞらえた。

『朝日新聞』は三月六日付で環境省の見開き二ページ全面広告を打った。また、『読売新聞』は三月一一付、東北震災からちょうど一年の拡大版「編集手帳」で、がれき受け入れを拒否する住民を指して「羞恥心を覚えることなく『絆』を語るには、相当に丈夫な神経が要る」と揶揄している。

 大手マスコミが行政と足並みをそろえて呼びかける広域処理だが、被災がれきのうち、広域処理される割合は全体の二割弱。このことについて東京・大田区議の奈須りえ議員は、「復興が進まないのは広域処理が進まないからだとし、住民のNIMBYが原因とするのは行政の責任転嫁ではないか」と異議を呈し、また、「がれき受け入れには科学的正当性が欠けている」と指摘する。

 奈須議員の要請により岩手県が作成した資料によると、災害廃棄物四三五万トンのうち、約三九%に当たる一七一万トンはコンクリートや土砂で、復興資材として埋戻し用に使用されるという。海岸沿いは地震によって地盤が下がっているため、土地を造成する必要があるからだ。また、土砂のうち八〇万トンは太平洋セメント(株)が有償で引き取り、再利用されるのだという。

 東京都に搬入される宮城県女川町の災害廃棄物(混合ごみ)は、現地で廃プラスチック、布・紙類、コンクリート、木材等に手選別されている。手間とコストをかけ分別されているにもかかわらず、東京二十三区清掃一部事務組合の清掃工場では、受け入れ基準に従い木材八割に廃プラと布・紙類二割をブレンドし焼却している。奈須議員は「資源として活用できる可能性がある」と話す。