PAPER ‐紙と私の新しいかたち‐展

目黒区美術館で「PAPER ‐紙と私の新しいかたち‐展」を見る。

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子供の頃から紙はいつも身近にあった。書いたり切ったり貼り付けたり。まだ両親が読む前の新聞を喋れない頃からはさみで切って喜んでいたという。めったにおもちゃを買ってもらえなかったからボードゲームもピンボールも飛行機も全部自分で作った。紙で。

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そんな「紙」をテーマにした企画展。

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展示会場に向かう途中にテラダモケイの1/100スケールペーパーモデルが。大きさがわかるように紙のオーケストラの写真を人差し指と一緒に撮った。爪の大きさと比べてみてください。いかに小さいか(でも精巧にできているか)わかりますか。

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売っているので自分の部屋に好きな情景を作ることも出来る。階段の手すりのこの展示から普段、美術館には行かないという妹や姪っ子も楽しんでいた。会場にもこれを使って作られた点景がたくさん展示されている。僕は声を出して笑いながら見た。みんも笑いながら見ていた。美術館に行ってみたいけど敷居が高いと思っている人にもこの企画展、おすすめします。

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僕が今回、どうしてもこの展覧会を見たいとおもったのは以前から印刷物だけで知っていた植原亮輔さんと渡邉良重さんの「時間の標本」という作品を実物で見たかった。古い本に蝶の絵を書いて羽根の裏も表も着色して輪郭を切り抜くと、製本された紙の性質で羽根がページから少し浮き上がり、まさに飛び立とうとしている(または今とまったかの)よう。大きさや厚さの違う何冊もの本が並べられそこに蝶がとまっている。
やっぱり写真だけでは伝わらない。実際の作品は圧倒的だった。古い本の持つ「重さ」や、時代を経てきた時間の「重さ」と蝶の軽やかさの対比も魅力的だった。

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東京の友だちな皆さんには個人的に強くオススメです、この展覧会。(テラダモケイで)笑えて(暗闇のインスタレーションで)時を忘れ(その入口の作品に)びっくりして(思いがけないところにも展示されているテラダモケイの1/100の人たちを)発見する、というただ作品を鑑賞する以外の要素も満載。夏休みのうちにお子さんも連れて。

面白かった。

美術館を出ると綺麗な蝶が「面白かったかい?」とばかりに羽根を開いたり閉じたりして見せてくれていたので iPhoneでムービーを撮った。夢中になって這いつくばって撮っていて気が付いたら、カミさんも妹も姪っ子も僕を置いて行ってしまった。