日本彫刻の近代

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 宮城県美術館に「日本彫刻の近代」展を見に行く。一番楽しみにしていたのは橋本平八の「花園に遊ぶ天女」
 大学で卒業制作を木彫にしようと思った頃アールヌーボーの旗手アルフォンス・ミュシャに相当入れ込んでいた。と、恩師の教授が表面に桜の花びらをびっしりと彫り込んだ装飾的な要素もふんだんに取り入れた木彫があるんだよ、というのですぐ見に行った。一木作りなのでやや窮屈そうなそのポーズ、表情、そして全身の花模様。とてもびっくりしたのを覚えている。そして大好きになった。それ以来20年ぶりくらいの再会だ。今回、作品の周囲360度から見ることができたので正面からしか見られなかった今までと違った印象も持った。また、後ろもゆっくりと鑑賞することが出来たのだけど新たな発見がふたつ。最初の展覧会に出品したときのものか作者名や作品名を書いた小さな紙切れが貼ってあったのだけどよく見ると作品名が「花園に遊ぶ天女」ではなく「花園の少女」と読めた。作者か誰かが後にタイトルに手を入れたのだろうか。またおしりの辺りの造形が模索中の形のように思われた、どうみても形が出来上がっていないのだ。もしかしたら未完成なのかもしれない。
 とにかく異常気象の中、美術館の涼しさの中で作品との幸せな再会の一時でした。