嘘つきどころではない

 福島原子力発電所は地震の後、短い期間ですでに炉心溶融していたという。そしてそれが発表されたのは2ヶ月後の5/12だった。(定義の問題があるので、炉心溶融と書きますがいわゆるメルトダウン)
 考えられる事はふたつ。(知っていたが)隠していたか、(お手上げで)わからなかった、かのどちらかだ。
 菅首相、枝野官房長官を初めとする政府や東電がもし知っていたのに隠していたのだとしたら「ウソつき」と呼んで済ませるような話ではない。パニックを抑えるためのウソだったとしても事実を隠し続けなければ福島や飯舘村の人たちや僕らが、意味もなく無駄に放射線を浴びることは無かった。もしそのことで何年後か後に健康に問題が発生するような事態になったら未必の故意による殺人行為だ。あなた方は炉心溶融後もずっと言い続けていた。「ただちに健康に問題は無い」
 ふたつめの炉心溶融してるかどうか2ヶ月間わからなかったのだ、というならこの異常事態を乗り切るリーダーとしての基本的な力が最初から完全に欠落している。あなたたちには無理。
 それでも政府の言うことは無条件に信じろと?大本営発表を信じないのは非国民だと?


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 仕事場で5種類のマスクを撮ってみた。ちなみに僕は原発で作業している訳じゃなくて石を彫るので持っている。石を彫る時にマスクをしないと肺に石の粉塵が入って珪肺になってしまう。一度肺に入った塵は二度と排出されない。レントゲンを撮ったとき肺がうっすら白く映ってると言われたことがあった。おいおい。
 左は普段使いの一般的なノーズフィット付のマスク。って普段使いって何だよ!今までは石彫り以外でマスクなんてしたこと無かった。どんなにインフルエンザが流行しようと。
 それから3つはフィルターで防塵するタイプ。軽かったりフィルターの数がひとつだったりふたつだったり。それぞれ一長一短。場面によって使い分ける。
 一番右のモノはイギリスで工事現場での作業用に開発されたらしいフルフェイスのマスク。充電式のバッテリーで体の後ろ、うなじから空気をファンで吸い込みフィルターを通して顔面に粉塵を濾過した空気を排気する。風がマスクからずっと出ているので顔の下からは粉塵が入らない、というもの。フィルタータイプはこれから暑くなる季節は防護用の強化ガラスのメガネを曇らせて仕事にならないが、この電動ファンのモノだと快適に作業できるのでいいのだ。問題は高価なこと。
 それにしても。今、こういう事態になって頭の中に浮かんでいるコメントがある。震災後すぐの3/14に放射線の被曝を本当に心配してくれていた元生徒さんからのコメント
 あなたがすぐに書いてくれた心配のレベルに、僕が追いつくまでにはずいぶんタイムラグがありました。(6日間の陸の孤島状態を差し引いても)あんなにていねいに書いてくれたのに。
 比喩じゃなくて教え子に助けられてばかりだ。めんどうくさくなってもういいや!と思いそうになるときにあなたのコメントが頭をよぎります。誰かわからなくてちゃんとお礼が出来ないので改めてここでお礼を言っておきます。元生徒さん、本当にどうもありがとう。
 残念ながらこの書き込みをしてくれた頃、テレビもネットも携帯も全滅だったので、元生徒さんのコメントも見られず、水素爆発で放射線値がかなり高かった3/15日、16日なんて町まで様子を見にいくために何の防御もせずチャリで走り回ったり雨に当たりまくったりしていたんだよ。僕は。