フェルメールからのラブレター

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 宮城県美術館に世界に30数点しかないフェルメールの絵が宮城県美術館に3点も来るんだよと美術教室でMikiちゃんと話をしていたら、一度も行ったことが無い宮城県美術館に行って見てみたいという事になり、今日の美術教室は番外編で「フェルメールからのラブレター展」を見に行くことにした。
 Mikiちゃんと、仲のいい友だちと、その妹と、そのお母さんでカミさんの友だちと、カミさんと、僕とで総勢6人になった。
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 宮城県美術館。第2駐車場に回されるほどの盛況。入場券を買うのにも並び入り口にも人がごった返していたので一度退室して作戦会議。先週の土曜日に加ト吉さんが美術館からツイッターでツイートしてたので混み具合を質問したら

@tamaki フェルメール展ですが結構混んでます。展示43作品中、フェルメールの作品は3点で、順路の一番奥の部屋にあり、そこまで順当に見ていくと相当時間を要します。フェルメール作品の部屋は皆さん並び疲れてか意外に混んでいないので、子ども達がいるならあえて順番を崩すのも手かと。

と、すぐにリプライをいただいていたので、その作戦で行くことにした。
 まずフェルメールの3点をゆっくり鑑賞。
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手紙を書く女
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手紙を書く女と召使い
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手紙を読む青衣の女
 アムステルダム国立美術館での修復作業後、本国オランダより先駆けて世界初公開。会場に修復前と修復後の写真が並べて展示されていたけど、宝石でもある高価なラピスラズリを砕いた顔料ウルトラマリンの青の輝きが雲泥の差。実際、青の色は美しかった。
 その後、それぞれ自由に会場の作品を観て回り見終わった後がお楽しみ。展覧会を見る前にみんなに提案した事がふたつ。
「一番好きな作品を後で言い合おう!」
「自分の部屋に飾りたい作品を1点、展覧会の作品全部の中からプレゼントしてもらえるとしたらどれがいいかを言い合おう!」
 「好きな作品」と「自分の部屋に飾りたい作品」は違うことが多いのです。その違いも面白い。皆がどれを選ぶかも興味津々。
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 まず、フェルメールの3作品で部屋に飾るならどれ?を報告し合う。結果は
手紙を書く女 0票
手紙を書く女と召使い 4票
手紙を読む青衣の女 2票
でした。僕は圧倒的に「手紙を書く女と召使い」でした。検討の余地も無いくらい。
 その後、みんなで「これが私の好きな作品」とか、「これが今回の作品の中で一番好きな作品だけど、部屋に飾るのはちょっと恐いから自分の部屋に飾りたいのはこの作品」とか報告し合いながら会場中を縦横無尽に動き回った。「順路」なんて関係無い。「へー!」とか「意外!」とか「わかる!」とか笑い声を「しーっ」とか言いながら動きまわって楽しかったなぁ。
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 フェルメールは「カメラ・オブスクラ」を使用して下描きした事が研究によって確実視されている。(カメラ・オブスクラを知らない方はリンクをクリックしてください。わかりやすい説明です)実際の景色を写してトレースすることでデッサンの代わりにすることが可能だった。キャンバスには消失点を決めるためにヒモをピンで留めた穴が残っているものもあるという事だ。
 美術館の一画にはそのカメラ・オブスクラを現代の100円シップで安く手に入れたレンズとトレーシングペーパーと段ボールの空き箱で再現したものが「手紙を読む青衣の女」の小道具を再現したものの前にセッティングされていて自分が絵の主人公になった姿を写すことが出来る面白い試みがされていた。
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 そしたらやるでしょ(笑)それにカメラ無しで行動することが無い僕のポケットにはコンデジがある。みんなが「手紙を読む青衣の女」になったところを激写してやるぜ!
 こんな感じ。手前右が現代版、段ボールで作られたカメラ・オブスクラ。奥が絵画の世界を再現した舞台装置と用意された青い衣。
(プライバシーに配慮して小学校4年生の女の子の撮影風景の顔の部分だけはフェルメールのオリジナルの絵と合成しました)
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 プライバシーに配慮して小さめの画像にしておきます。この中にはこちらを見て笑って写った人もいるのですがもちろんアップしないでおきます(笑)みんなにはプリントして渡しますよ。
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「手紙を読む青衣の”カミさん”」
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「手紙を読む緑のL.L.Beanの”俺”」
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 カメラ・オブスクラで見た宮城県美術館の入り口付近。
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 アリスの庭と呼ばれるフラナガンの兎の彫刻のある中庭を抜けて裏庭へ。
 みんなで新宮晋の動く彫刻の前で記念写真を撮った。カミさんと行くのは別にして、何人もで美術館に出かけて素敵な作品を観るなんて学生の時以来かもしれない。作品を見る時は心を解放していないと楽しめないから気を使う人となんかもちろん行けない。そういう意味で6人で見たのにこんな幸せな気持になれた、というよりみんなで見たからこそ楽しい時間をくれたみなさんに感謝。原発や放射能の事を忘れることが出来るひと時だった。(もちろんガイガーカウンターで測る事は忘れなかったけどね・笑)