ゴッホ展-空白のパリ時代を追う-

 朝一番でカミさんと宮城県美術館のゴッホ展へ。去年、開館時間に行ったときはゆっくり見られたのにゴッホはすごいな。もうたくさんのお客さん。今回の「ゴッホ展」はアムステルダムのゴッホ美術館が改修工事でその間に作品を借りて多くの日本未公開作品の展示が実現したのだという。僕がゴッホ美術館に行ったのはもう30年前の話だ。。。

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 今回の作品展はゴッホの作品や人となりをある程度知っている人にとってはとても面白いだろう。謎解きのような面白さがある。逆に言うと今回が初めてのゴッホという人にはあまり面白くないかも。ゴッホらしい作品がそうたくさんある訳ではない。ゴッホにとっても試行錯誤や発表の意図は無かった作品も多いのでは無いだろうか。事実、署名の入った作品は1点もなかった。(展示を見終わって最初から見直したから間違い無いはず)だから、つまらなかったかと言われれば、そんな事は無い。知りたくても知る事ができなかった新たな一面の発見がいくつもあって面白かった。

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 自画像と対にして描かれたであろう、ゴッホを支えた弟テオの肖像(左)。
 始めてゴッホの写真を見たけどヒゲがないときの写真だったからか自画像のゴッホの印象とは違い全くの別人、細い目の男の写真だった。神経質そうなところはうかがえる。
 作品とは別に、木の箱に入れられてアトリエに置かれていたという、数種の色の毛糸を組み合わせて丸めた毛糸玉が興味深かった。こんな風にしてそれまでにはなかった色の組み合わせを探したのだろうか。今ならコンピューターでいろんなパターンを簡単に試す事が出来るし、事実多くの製品はそのような段階を経て商品化されると言うけれど、この毛糸玉のアイデアは馬鹿に出来ないと思った。
 情熱で一気に描く印象があるけれど、結構パースペクティブ・フレームを多用していたのも意外で面白かった。今の時代に生まれていたら、デジカメの写真を使ってトレースしたのかも。

だけど今日、僕が宮城県美術館に来た一番の目的はゴッホ展ではなくルオーなのだった。(続く)

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 ゴッホ展は宮城県美術館で7/15までです。