スギサキマサノリ展

スギサキマサノリ展 「宮城レポート 2018・3・11」をSARPへ見に行った。

2011年3月11日。東日本大震災が起こったときも、スギサキくんはここで個展を開催していた。それ以降、3・11を含む週に毎年「宮城レポート」と題して、震災の後の現実や影響をテーマに個展を開いている。

僕にとっては、1年に一度免罪符のように大震災を振り返るマスメディアの震災特集より、自分の節目になっている。

毎年、どんな作品が待っているのかドキドキする個展のひとつ。

今年は例年の様な大きな作品ではなくて小さめの石がたくさんの個展だった。それにしてもこの石にはうっとり。風化に永い長い年月を感じる。

山、川、海、他いろんな所から集められた石の多様性、表情の豊かさ。色もテクスチャも様々。ほとんどの石は最小限に手を加えられているだけ。でもその最小限に加えられた手技によって、より石は個性的になって豊かな表情を見せている。中には全く手を加えられていない石も。だけど、その石を選択したこと、素材として選んで並べたことで作品になっている。

この石なんか、何かこれまでの事をすごくたくさんしゃべりたくてうずうずしているように見えるよ、僕には・笑

でもねえ。こんなに石という素材が魅力的に見えるのは僕たちだけで、一般の人たちにはただの石ころにしか見えないかもしれないことは、ちゃんと受け入れないと駄目だよねって話し合うのでしたw。。。。。

人は擬人化したがる癖があるよね、ってスギサキ君。確かに大震災だって擬人化して考えたりすること多かった。自然の神様が怒ってるとか。自然の石にちょっとだけ手を加えて顔のようにするだけで、人がそこに思い入れるモノが多くなる、というか変わるんだろう。この石だって「首」が彫られずにここに置かれていたとしたら見る人の思いは全く違うモノになるだろう。少し削って(素材が減ることで)可能性が広がるって面白いな。

あれから7年目の今週3/11まで。SARPにて。

SARP公式サイト

宮城レポート 2017・3・11
宮城レポート 2016・3・11
宮城レポート 2015・3・11
宮城レポート 2014・3・11