部落の共同作業

 年に数回ある共同作業の日。もうすぐ田んぼの用水路に水がくる。その前に用水路の泥やゴミを部落総出できれいにする。
090412
 僕は最初、近くの親父さんらと家の前の道路をまたいで流れている用水路のゴミやヘドロをレーキですくい上げていく。(2階の居間からカミさん撮影)
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 大きな用水路なのでけっこう大変。だけど大変なんて言えない。だって一緒に作業している親父さんは79歳!健康のためにウォーキングしてる人もいる時代、生きるために仕事を続けている人を単純に尊敬する。親父さんはぽつりと「稼げなくなった(働けなくなった)人はおしまいだ(死んでしまう)」昨日、見た「タイマグラばあちゃん」のばあちゃんもじいちゃんも死ぬまで(倒れるまで)働いていた。そーゆー人に私もなりたい。
この後「土葬」の話が出てきます。読みたくない人は続きを読まないでください。


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 作業の間の一服(休憩)の時に草の上に座って聞かせてもらう昔話も楽しみ。今のように葬儀屋の無かった昔は人が死ぬと部落中で葬式の準備をした。いわゆる「契約」。土葬だったので棺桶作りも皆でやったのだという。今の見せるための棺桶ではなく埋めるためのものなのでうずくまった人を入れる形で作り、墓に3尺(約0.9m)角の深さ6尺(1.8m)の穴を掘る。4人でひもを持って棺桶をそろそろと降ろしていく。年月が経って箱が腐れて崩れるとその空間に土が落ちて墓が傾いたりもしたという。これは昔々の話ではない。たかだか30年前の話。僕が生きていた時の話だ。
 親父さんは米作りの他にベコ(牛)も飼っている。今は5頭。本当に働いて働いて働いている。「勤め人は朝は早いけど父ちゃんひとり働けば母ちゃんは家でぶらぶらさせてあげられる。百姓なんかやるもんでねぇ。百姓なんかやったら母ちゃんとふたりで働いて、働いたってどうにもなんねぇ」
 午前中で作業を終え、そのまま公民館でご苦労様&お花見。刺身や乾き物をつまみに昼からビール。今年は公民館横の桜がちょうど満開だった。