ミロノフ兄弟の陶芸体験

 ブリヤート共和国のミロノフ兄弟が遊びに来ている。が、昼になってもまったく起きてくる気配がない。僕はいつしか早朝に目が覚める人になってしまった。昔のようにぶっ通しで寝続けるだけの体力がないのだろう。だけど今日はやることがある。セルゲイの陶芸を体験してみたいという希望を叶えるためにゑみし窯の池田さんに無理を言って時間をとってもらったのだ。起こして、昨晩のブーズを食べて出発。
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 ゑみし窯のチャオ。相変わらずかわいい。目が大きいからだな。池田さんとも久しぶりだ。
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 ふたりの希望を聞いて早速粘土を「菊練り」して準備してくれる。
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 奥さんのネコの絵付け。素敵。実は子どもの頃から絵を習い描いていた事を初めて知った。能ある鷹は、である。
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 生まれて初めてのろくろに挑戦するセルゲイ。
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 お兄ちゃんのエルデニはひも作りで小物入れを作るという。
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 真剣に制作するふたり。
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 ろくろの余った粘土で僕も25年ぶりにろくろをひかせてもらった。カミさんにリクエストされたエスプレッソ用の小さな器。
 いつも突然のわがままを苦笑しながらも聞いていただいてありがとうございます。ふたりとも感激してました。良かった、良かった。2ヶ月後の焼き上がりが楽しみ。(僕も)
 家に戻り夕食にカミさんの作ったとんかつを食べる。そこへエルデニにブリヤート共和国からお父さんのアレキサンドルから電話。僕の家にまだいるとは知らずにかけてきて、たまきにひと言、言いたいから代わってと言ってると受け取った電話の向こうから10数年ぶりに聞く声。「ありがと、たまーき。ありがとっ。」日本語だ(笑)彫刻シンポジウムで一緒に石を彫っていた時は一緒の空間にいたから共通の言葉が無くても普通に一緒にいたけど電話で共通の言葉がないとなんだか恥ずかしいぞ。だけど日本語であいさつされて感激した。変わらぬ笑い声を聞くと笑顔が浮かんできた。
 名残惜しいけど明日はお互い仕事だ。やむなく話を切り上げて夜、車で帰っていった。楽しかったなぁ、また!
。。。。。男二人の帰った後のトイレ、洗面所、風呂、台所、部屋、寝具、どれもあまりにきれいだったのでびっくりした。滞在中大きな声を出すこともなく終始穏やかだった。お土産やいろんなところに気を遣っていた。客人の中には「大人」なのに出た後の風呂に豚しゃぶかって突っ込みを入れたくなるような人だっているのだ。もちろん自分が20代の頃だって、こんな気配りの意識は無かった。最低だったと思う。ブリヤート人同士や外国の人たちとこの日本で生きていくために協力し合って時には共同生活する中から最低限のルールと、他者と暮らす意識とやり方を会得してるのだろう。帰って行く二人を見送りながらなんてさわやかで素敵な青年達だろうと夜風に吹かれながら彼らの倍以上生きてしまった私はしばし佇んでしまった。。。。。