25年振りの再会

個展会場にカワイイ女性が来てずんずんこちらに向かってくる。知らない人が何故こんなに親密な笑顔を僕にくれるのだろう、と思っていたら「Maoです!」

新宿で中学校の美術教師をしていた時の教え子だった。最後に会った時かわいいガキンチョだった娘は25年たってレディになっていた。たまたま仕事で仙台出張になり、久しぶりにツイッターを開いてみたら

というツイートを目にした、という。 僕も、Instagramで写真をアップしたときに連動してツイッターに投稿するくらいで、最近はほとんどツイッターを見ることもツイートする事もなかったけど、少しでも多くの方に個展に来ていただきたくて在廊する日は宣伝になるかどうかわからないけど、とりあえずツイートしていた。

 

仙台出張と僕の個展が在廊日まで重なるというので帰るのを一日延ばして仙台に一泊してサプライズで駆けつけてくれたという。
個展には連日、思いがけない方々に来ていただいているけど(感謝)一番驚いた。

なんて、シ・ア・ワ・セ な。

出張と個展が重なる偶然に、たまたまふたりともツイッターを再開した偶然に、ツイートを見つけてくれた偶然に、感謝した。

お茶を飲みながら話していたら笑顔の中に昔の面影を見つけた。Maoさん、君の笑顔は昔と全然変わらない。

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かつて先生をやっていた事は記憶の向こうに霞みつつあるけれど、今でも会ったり、酒を飲んだり、連絡し合う若い友人を持つことができた事に深く感謝している。良い先生では無かったと思うけれど。

サヨナラがとても名残惜しかった。

会いに来てくれて、どうもありがとう。

 

地元からも、受験のためにデッサンを一緒に勉強した子や、頼まれて小学校の数年間を借家の寒い物置小屋を美術教室にして、一緒に絵を描いたり紙粘土で動物を作ったり、版画を摺ったりした子らが、社会人になって個展を見に来てくれた。彼らが何かを作り出す時間を一緒に過ごすのはとても楽しい時間だった。

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▲今日来てくれた青年が小学校の時の一版多色木版画の作品▲

作品は自分でが作るのも誰かが作るところを見るのも楽しい。考えてみれば今、作品を作る喜びは子どもの頃と変わらない。

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今日の夕食は会場に友だちが持ってきてくれた手作りのはらこ飯。震災以来初めて食べるはらこ飯でもあった。自分史上、一番美味しかった。

毎日幸せが届けられる、祝祭の日々も、もう少しで終わりだ。