子どもたちの甲状腺検診の実施を求める署名

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市長に「子どもたちの甲状腺検診の実施を求める署名」を提出してきました。

公的な記録は「放射能から命を守る宮城県南部の会」に書いたので、こちらには少し私的な事を。
「放射能から角田を守る会」で甲状腺検査の実施を求める署名をしようと提案したのが僕だったからか、今日、署名を集めるにいたった経緯を簡単に話をしなければいけない事になってしまった。人前で話をするのはもっとも苦手で嫌いな事。頭が真っ白になるのがわかっていたので夜の会議の後、昨晩ひとりで文章を書いて、今日はそれを読んだ。練習では声に出して読んで3分弱。(最後に文章も載せておきます)

放射能の事を最初、気にしないで屋外の仕事場に石彫りに行くのを止めるカミさんと喧嘩していた最低な僕が、その後この問題と取り組む事になったのは何度か書いた。バッシングを浴びるだけでなんの得にもならないのに子どものために放射能の問題で戦わざるを得なくなってしまった何人ものお母さんを見たからだ。それはお母さんだけじゃなくて、僕を石彫りに行かせなかったカミさんも含めて「放射能は直ちに健康に被害は無いって国も言ってるじゃない。余計な事するな」という圧力の中でも命を最優先に行動していた人たちの事だ。そんな人たちの行動には今でも頭が下がる。その人たちの事は少しでも書きたかった。

現実を違う視点で見ざるを得なくなったら、この国がまるで違った国に見えてきた。いろんな事に気が付いてしまった。その感覚は今も変わらない。そのせいで知ってしまった事がたくさんあった。良い悪いじゃなくて、知ってしまったからにはそれを無かった事にして今まで通りやっていくか、「それ」がある前提でやっていくしかない。どちらをとるかは人それぞれ。モノツクリにとってはどちらを行くかは最初から自明だけど。

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「放射能から角田を守る会」のみんなで仕事を休んで市長応接室を訪ね、署名を市長に渡す。

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短い時間だったけど、こちらの思いを話した。お子さんを持つお母さん(とお子さん)が3人も参加してくれた。
大友市長を初め放射線対策室、担当の方、ありがとうございました。

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3ヶ月で1500筆以上。まだ続けます。

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昨晩、夜中にひとりでまとめていて、いろんな色の紙があって泣けた。一枚一枚めくって眺めていた。写真でわかるだろうか。

 


 

署名を集めるに至った経緯

 
放射能が健康に及ぼす悪影響を心配する声は、事故から2年半以上たった今も消えていません。特に放射線の感受性が大人よりも強いと言われる、子どもを持つお母さん達の心配は大きく、健康調査を望む声は事故直後から、そして今も多く聞かれます。
しかし宮城県の有識者会議では健康調査は必要無しとされ、角田市もそれにならって健康調査は残念ながら行われていません。
それでも、子どもの健康を心配して甲状腺検査を望む声は大きく、その声におされるようにして仙南地区で、2012年の9月からボランティアによる甲状腺検査が毎月、実施されています。九州の心あるお医者さんが、月に一度、九州から仙南に検査にきていただいていますが、実際に検査にかかる費用も、検査機を借りるお金も、交通費も全て持ち出しです。それ以外にも、仙南地区で心あるお医者さんに、病院を借りたり看護士さんの協力を得て続けています。また、仙南の各市町村のお母さん方が、調査票の作成、配布からまとめ、実際の検診の補助、寒い中の駐車場の誘導などなど、多くの仕事を忙しい子育ての合間をぬって、全てボランティアで行っています。
現在までに、仙南地区では650人以上、角田市でも140人がすでに受けていて、調査を希望する人はまだまだいますが、善意とボランティアだけではもはや受け入れられる状況ではありません。希望する親御さんがいても、新規に受け入れる事ができなくなっています。

そこで大友市長さんに、角田市の甲状腺検査を求めるお母さんの声に応えて、角田市として甲状腺検査を行っていただきたく、署名を始めました。
今回、持参した署名は8/31から開始してまだ3ヶ月間ほどですが、角田市だけでも1500筆を越える署名が集まっています。私たちが集めた署名だけではなく、甲状腺検査を待ち望んでいた多くの方が、近所や知り合いを回りたいので、用紙をくださいと持っていかれました。後で見ていただくと分かるのですが、足りなくなった署名用紙を、字がにじむほど、何度もコピーして増やしたり、自分で新たに印刷をしてくれたようで、私たちが最初に配布した紙だけでなく、何種類ものいろんな紙が集まっています。その紙の向こうにある、たくさんの思いを、是非、市長さんに汲み取っていただき、甲状腺検査を実施していただきたいと思います。
署名用紙は、現在もいろんなところをまわっていますので、ある程度の数がまとまり次第、またお持ちしたいと思います。

どうぞよろしくお願いします。