杉﨑正則 – 祈る石 想う石

「杉﨑正則 – 祈る石 想う石」をギャラリー杜間道で見た。

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制作を休んで仙台に来たのは、この個展を見るため。始まるのを指折り数えて待っていた。

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石ころのかたちはほんとうに綺麗で、そのほれぼれするようなかたちをいただいてかたちにしました。
たくさんの石が並びます。手で持って触って眺めてください。
みなさまにとって好きな石、気持ちに沿う石があれば幸いです。

(DMの文章から)

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会場には、山や川の石に少し手を加えて作られた「カタチ」がいくつも並んでいた。150個余を作ったという。

俳句を作るように彫っていった。自然の石そのままのところを必ず残すという制約を課して作った、と話してくれた。俳句に季語を使うという制約があって、でもそれが魅力あるものにしているように、手付かずの部分を必ず残す、という制約が作品をより魅力的なものにしていると感じた。

石がもともと持っていた「カタチ」と作家がその石を少し削りだすことで生み出した「カタチ」が相まってとても魅力的なモノに変わっている。そして、石の作品展というと普通は白御影石や黒御影石がメインになることが多くて、会場は無彩色のモノトーンになることが多いけど、白や黒の他に、赤や緑や黄色のカラフルな色が、いろいろな形で並んでいてとても楽しい。ひとつひとつを見ながら、会場を何度もグルグル回って、作家と話をして会場を出たら、あっという間に1時間が経っていた。

売れたらその場で作品を持って帰ることができるから、早く行かないといい形が無くなってしまうと思って、個展開催の2日目に来たけど、すでに初日に、いろんな方のところにもらわれていったみたいで、見られなかった形があったかもしれないのが少し残念。

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そして悩みに悩んで今回、僕らが買ったのは緑の石に彫られた犬。

14年一緒に暮らした愛犬「小春」が死んだ後、カミさんに何度も小春を彫ってと言われている。「木で小春を彫って」「石で犬を彫って」でも、できないでいる。

僕は祈る人の形をした石を選ぼうと思ったのだけど、春にお父さんを亡くしたカミさんには「人の形」は今はまだ辛い、という。

小春を知っている杉崎くんが彫った犬を僕らのそばに置くのは、僕らにとって良いことだろう。

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手の平で包めてしまうほどの大きさの犬の頭を押してやると前後にユラユラ揺れるように彫られていて、揺れていると静かに置かれている時より、格段に魅力が増して、切ない。

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facebookをやられている方は作家のページで今回展示されている「石」の写真をいくつか見ることができます。
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