The 5day Art challenge on Facebook

“The 5day Art challenge on Facebook” という「5日間連続で、自分の作品を1日に3点ずつ紹介し、さらに毎日ひとり、作家を紹介する」というアメリカ発といわれるfacebook内のお遊び的なイベントにノミネートしていただいて2月11日〜15日まで作品の写真をアップしました。
10年後にfacebookがあるかどうかわからないし、あっても僕はやっていないかもしれないし、みんなもそこに集っていない可能性も大きい。(Flickrの前例もあるし)
なので、ブログに再録しておきます。
(僕がノミネートした5人はfacebookの外で紹介されると迷惑かもしれないので名前と紹介文を省略←OKなら載せますがw)
5日分なのでちょっと長めのエントリー。写真はクリックで拡大します。
#‎5DayArtChallenge‬


Day 1

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【磊磊 I(らいらい)】(黒御影石、塗料|20×12×40cm|洞爺村国際彫刻ビエンナーレ|2001年 )
http://www.tamaky.com/works/stone/stonework/rairai/rairai-i/

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【Double Life】(浮金石|32×16×32cm|2013年)

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【HARAMU】(赤御影石|14×14×38cm|2014年)

重くて存在感のある究極の塊である石を使っているのに、昔からそこに価値は感じていなかったみたいで、割ったり、すきまを作ったり、軽やかなカタチを石で作ってきたように思います。
僕が石で何かのカタチを作る時に、振り返ってみると以下の3つの基本的な手法を使っていることが多い。1日目の今日はそれがわかりやすい作品3点を紹介させてもらいました。
1:石を昔ながらの石工の道具だけでいくつもに割り、形作り、削りながらあえて断面にずれを生じさせながら再構成する。断面を赤く着色して強調する。
2:石でらせんを作る。(ひとつの石から本当にらせんに切れています)
3:表面の仕上げの方法によって全く別のモノのようになる石のテクスチャを、ひとつの作品の中に創り並べる事でさらに際立たせ、石の魅力を引き出す。


Day 2

子どもの頃から、いつも何かを作ったり描いたりしていました。大人になった今でも、親が読む前の新聞を、ハサミで切り刻んだりしていた物心つく前と、やっている事はあまり変わりません。石の彫刻を作るのも、いろいろ手を動かしている中のひとつです。アートチャレンジというせっかくの機会なので、今日は石以外の作品を紹介させていただきます。

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【maki&koharu】(FlashによるCG)
幼い頃の愛犬小春を抱くカミさんを描いたCG。
http://www.tamaky.com/works/graphic/cg/makikoharu/

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【忌野清志郎】(FlashによるCG)
清志郎がいない、という喪失感は僕の中で年々、大きくなっている。
http://www.tamaky.com/works/graphic/cg/kiyoshiro/

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【Woman】(鉛筆、カラーインク)
結局、鉛筆というツールが一番好きだし、これが無くては何も始まらない。

「Flash」という素晴らしいソフトは、AppleがiOSにFlashを採用しなかったことで、時代から取り残されつつある感じは否めないけど、コンピューターひとつあれば、個人でもアニメーションを作る事ができる環境を与えたことは大きな出来事だったと思う。僕も一時期、そうとうはまった。(僕のサイトのトップページの石が割れるメニューはFlashで絵を描いたりAction Scriptを使って作ったものです。iOSでは採用されてないのでiPhoneでアクセスしていただいても表示されませんが・苦笑)それでも、絵を描くツールとして僕には一番合っている。IllustratorもPhotoshopもPainterも使うけど、コンピューターとタブレットで絵を描くならFlash。
石が割れるメニューはこちら


Day 3

今日はさらに脱線して、石の彫刻ではなくて、仕事場でひとりで遊んでいたことを紹介させていただきます。それでアートチャレンジになっているのか、というご批判には、これはインスタレーションなんだと、無理矢理言い張らせていただくことに今、決めました。でも、いい年してひとりで石を積んだり転がしたり、馬鹿だねというご批判は甘んじて受けようと思います。

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【玉石による巣ごもり卵のインスタレーション】
(伊達冠石、ススキ、草|2013年)
http://www.tamaky.com/mt/archives/2013/05/movie-the-stone.html

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【玉石積みのインスタレーション】
(伊達冠石、緑玉石|2014年)
http://www.tamaky.com/mt/archives/2014/06/stone-x-5.html

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【雪で作った愛犬小春】
(雪|2015年)
http://www.tamaky.com/mt/archives/2015/02/snow-dog.html

普段から良く、石とか草木とか雪とか氷とかを、並べたり組み合わせたりしてます。意味もなく。石積みは最終的に6段まで積めたんだけど夕暮れで写真がぶれてるので5段の写真を。
2年前まで飼っていた愛犬を思い出して雪で作ってみました。雪だるま以外に雪で何か作ったのは初めてだったけど面白かった。出来上がってから頭を撫でたら思い出して、とても懐かしかった。


Day 4

伊達冠石という、世界でも宮城県丸森町でしか産出されない石で、一輪挿しなどの花器やクラフト作品も作っています。世界的に有名な彫刻家、イサムノグチが愛したことで知られる伊達冠石は、山の中に埋まっている玉石で表面が泥のようで中は磨くと黒くなる石です。採石場が僕の仕事場からすぐなので、この素晴らしい石で花器を作ることが出来る幸運に恵まれています。

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【石の一輪挿し】( 伊達冠石|朝日現代クラフト展)
伊達冠石で作った一輪挿し。(写真は昨年の ミュゼ マエナカでの個展の時のもの)
買っていただいた僕の作った花器を、実際に使っているところを見せてもらうことほど、幸せなことはありません。(写真を寄せていただいた皆さまに改めて感謝します)
http://www.tamaky.com/mt/archives/2014/07/stone-flower-vase.html

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【ストーンプレート】(伊達冠石)
ピアスや指輪などのアクセサリーを置いたり、ペーパーウェイトにも。
http://tamaki.handcrafted.jp/items/774743

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【絵の具チューブの彫刻】(バルサ、塗料)
カミさんとつきあっていた頃に贈った作品。実は「バルサのリアル彫刻」という、本物にそっくりの作品をつくろう、という課題の授業をした時に、生徒達に説明するために参考作品で作ったもの。西原クン(この日にノミネートした作家=教え子)が作ったマジックペンや封を切ったガムやウズラの卵は、みんなが本物と間違う出来で、僕の作ったものより何倍もすごかったですけどね。


Day 5

5日間のアートチャレンジにおつき合いいただいた皆さま、指名していただいた嵯峨さん、指名を受けていただいた皆さん、ありがとうございました。最終日は野外彫刻作品を3点紹介させていただきます。

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【山河】(宮城県|アフリカ産黒御影石|360×75×140cm)
数年に渡る水門工事の竣工記念碑として「水」をテーマに依頼されたものです。山から水がしみ出してやがて大河となっていく様を表しています。石から切り取られた「空間」として存在する川の向こうに阿武隈川が流れているのが見えます。その川の上流と作品の上流は向きを合わせてあります。(写真は昨日ノミネートした、西原クンが撮ってくれたものです・多謝!)
http://www.tamaky.com/works/stone/outdoor/sanga/

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【Dance】(ロシア|カフカス砂岩|230×180×80cm)
ロシアのカルムイク共和国で開催された、国際彫刻シンポジウムに招待していただいて、約1ヶ月半現地で各国の彫刻家と共同生活をしながら制作、設置。僕以外はロシア語圏の作家ばかりだったけど、石を彫るという「同じ言葉」があればわかり合えるんだと、深く実感したことが今でも僕の宝物になっています。
http://www.tamaky.com/works/stone/outdoor/dance/

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【桜山中学校モニュメント】(埼玉県|伊達冠石|高さ180cm)
卒業記念に依頼していただいて校門に設置。卒業生が幸せな未来に向けて羽ばたいていって欲しい、という願いを込めました。
http://www.tamaky.com/works/stone/outdoor/sakurayama/

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